2019年8月30日金曜日

債権各論156 改正民法662条

(寄託者による返還請求等)
第662条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。
2 前項に規定する場合において、受寄者は、寄託者がその時期の前に返還を請求したことによって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。
(e-Gove法令検索) 

 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089


(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※) 
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf

「債務不履行解除でなくても、寄託者から契約を終了させられるんだね」

「寄託者にとって必要がなくなれば、保管を続ける理由がないからだね」
「他の契約でも『いつでも』としているものがあるね」

「損害賠償の規定が加わるんだね」

使用貸借、請負、委任と似ているね」

「報酬相当額が損害とは限らないね」

「保管義務から免れるからだね」

(返還の時期)
第591条 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
2 借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。
3 当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたことによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。

(使用貸借の解除)
第598条 貸主は、前条第2項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。
2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる。

(注文者による契約の解除)
第641条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

(委任の解除)
第651条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
 

(一問一答 民法(債権関係)改正p355) 
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
(我妻・有泉コンメンタール民法p1338-9) 
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。