2020年11月28日土曜日

改正民事執行規則27 (不動産執行及び債権執行の規定の準用) 150条

(不動産執行及び債権執行の規定の準用)
第150条 第26条、第27条及び第133条から第138条までの規定は、少額訴訟債権執行について準用する。
この場合において、第133条第1項、第133条の2第2項、第134条、第136条及び第137条の3中「差押命令」とあるのは「差押処分」と、第133条の2中「法第145条第4項」とあるのは「法第167条の5第2項において準用する法第145条第4項」と、同条第2項中「法第153条第1項又は第2項」とあるのは「法第167条の8第1項又は第2項」と、第135条中「法第147条第1項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第147条第1項」と、同条第1項第1号中「差押えに係る債権」とあるのは「差押えに係る金銭債権」と、「その債権」とあるのは「その金銭債権」と、「その種類及び額(金銭債権以外の債権にあつては、その内容)」とあるのは「その種類及び額」と、同項第3号から第5号まで中「当該債権」とあるのは「当該金銭債権」と、第136条第3項中「債権執行の手続を取り消す旨の決定がされたとき」とあるのは「少額訴訟債権執行の手続を取り消す旨の決定がされたとき、又は少額訴訟債権執行の手続を取り消す旨の処分をしたとき」と、第137条中「法第155条第4項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第155条第4項」と、第137条の2第1項中「法第155条第5項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第155条第5項」と、第137条の3中「執行裁判所が法第155条第6項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第155条第6項」と、「同条第4項又は第5項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第155条第4項又は第5項」と、第138条第1項中「法第156条第3項」とあるのは「法第167条の14第1項において準用する法第156条第3項」と読み替えるものとする。
 (民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「準用だね」

「民事執行規則26条27条は、不動産強制競売の配当要求だね」

(配当要求の方式)
第26条 配当要求は、債権(略)の原因及び額を記載した書面でしなければならない。
(配当要求の通知)
第27条 配当要求があつたときは、裁判所書記官は、差押債権者及び債務者に対し、その旨を通知しなければならない。

 「民事執行規則133条から138条は、債権執行の規定だね」

「少額訴訟債権執行も、債権執行の一類型だからだね」
(差押命令の申立書の記載事項)
第133条 債権執行についての差押命令の申立書には、第21条各号に掲げる事項のほか、第三債務者の氏名又は名称及び住所を記載しなければならない。
2 前項の申立書に強制執行の目的とする財産を表示するときは、差し押さえるべき債権の種類及び額その他の債権を特定するに足りる事項並びに債権の一部を差し押さえる場合にあつては、その範囲を明らかにしなければならない。
(債務者に対する教示の方式等)
第133条の2 法第145条第4項の規定による教示は、書面でしなければならない。
2 法第145条第4項の最高裁判所規則で定める事項は、法第153条第1項又は第2項の規定による差押命令の取消しの申立てに係る手続の内容とする。
(差押命令の送達の通知)
第134条 差押命令が債務者及び第3債務者に送達されたときは、裁判所書記官は、差押債権者に対し、その旨及び送達の年月日を通知しなければならない。
(第三債務者に対し陳述を催告すべき事項等)
第135条 法第147条第1項の規定により第3債務者に対し陳述を催告すべき事項は、次に掲げる事項とする。
一 差押えに係る債権の存否並びにその債権が存在するときは、その種類及び額(金銭債権以外の債権にあつては、その内容)
二 弁済の意思の有無及び弁済する範囲又は弁済しない理由
三 当該債権について差押債権者に優先する権利を有する者があるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びにその権利の種類及び優先する範囲
四 当該債権に対する他の債権者の差押え又は仮差押えの執行の有無並びにこれらの執行がされているときは、当該差押命令、差押処分又は仮差押命令の事件の表示、債権者の氏名又は名称及び住所並びに送達の年月日並びにこれらの執行がされた範囲
五 当該債権に対する滞納処分による差押えの有無並びに差押えがされているときは、当該差押えをした徴収職員等の属する庁その他の事務所の名称及び所在、債権差押通知書の送達の年月日並びに差押えがされた範囲
2 法第147条第1項の規定による催告に対する第3債務者の陳述は、書面でしなければならない。
(申立ての取下げ等の通知)
第136条 債権執行の申立てが取り下げられたときは、裁判所書記官は、差押命令の送達を受けた第3債務者に対しても、その旨を通知しなければならない。
2 差押命令が第三債務者に送達された場合において、法第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書が提出されたときは、裁判所書記官は、差押債権者及び第3債務者に対し、これらの文書が提出された旨及びその要旨並びにこれらの文書の提出による執行停止が効力を失うまで、差押債権者は差し押さえた債権について取立て又は引渡しの請求をしてはならず、第三債務者は差し押さえられた債権について支払又は引渡しをしてはならない旨を通知しなければならない。
3 債権執行の手続を取り消す旨の決定がされたときは、裁判所書記官は、差押命令の送達を受けた第三債務者に対し、その旨を通知しなければならない。
(差押債権者の取立届の方式)
第137条 法第155条第4項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けた額及び年月日
(支払を受けていない旨の届出の方式)
第137条の2 法第155条第5項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けていない旨
2 前項の書面には、第三債務者から支払を受けていない理由を記載するものとする。
(差押命令の取消しの予告)
第137条の3 執行裁判所が法第155条第6項の規定により差押命令を取り消すに当たつては、裁判所書記官は、あらかじめ、差押債権者に対し、同条第4項又は第5項の規定による届出をしないときは差押命令が取り消されることとなる旨を通知するものとする。
(第三債務者の事情届の方式等)
第138条 法第156条第3項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 差押債権者及び債務者の氏名又は名称
三 供託の事由及び供託した金額
2 前項の書面には、供託書正本を添付しなければならない。
3 差し押さえられた債権について更に差押命令、差押処分又は仮差押命令の送達を受けた場合においては、第1項の届出は、先に送達された差押命令を発した裁判所(差押処分が先に送達された場合にあつては、当該差押処分をした裁判所書記官)に対してしなければならない。

「読み替えるんだね」

「通常の債権執行とは違う部分もあるからね」

「差押『命令』は差押『処分』なんだね」

「裁判所書記官による処分だね」
(差押命令の申立書の記載事項)【読み替え】
第133条 債権執行についての【差押処分】の申立書には、第21条各号に掲げる事項のほか、第三債務者の氏名又は名称及び住所を記載しなければならない。
(債務者に対する教示の方式等)【読み替え】
第133条の2
2 法第145条第4項の最高裁判所規則で定める事項は、法第153条第1項又は第2項の規定による【差押処分】の取消しの申立てに係る手続の内容とする。
(差押命令の送達の通知)【読み替え】
第134条 【差押処分】が債務者及び第三債務者に送達されたときは、裁判所書記官は、差押債権者に対し、その旨及び送達の年月日を通知しなければならない。
(申立ての取下げ等の通知)【読み替え】
第136条 債権執行の申立てが取り下げられたときは、裁判所書記官は、【差押処分】の送達を受けた第三債務者に対しても、その旨を通知しなければならない。
2 【差押処分】が第三債務者に送達された場合において、法第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書が提出されたときは、裁判所書記官は、差押債権者及び第三債務者に対し、これらの文書が提出された旨及びその要旨並びにこれらの文書の提出による執行停止が効力を失うまで、差押債権者は差し押さえた債権について取立て又は引渡しの請求をしてはならず、第三債務者は差し押さえられた債権について支払又は引渡しをしてはならない旨を通知しなければならない。
3 債権執行の手続を取り消す旨の決定がされたときは、裁判所書記官は、【差押処分】の送達を受けた第三債務者に対し、その旨を通知しなければならない。
(差押命令の取消しの予告)【読み替え】
第137条の3 執行裁判所が法第155条第6項の規定により【差押処分】を取り消すに当たつては、裁判所書記官は、あらかじめ、差押債権者に対し、同条第4項又は第5項の規定による届出をしないときは【差押処分】が取り消されることとなる旨を通知するものとする。

「民事執行法上も準用しているね」

「だから『法第167条の』等が入るんだね」
(債務者に対する教示の方式等)【読み替え】
第133条の2 【法第167条の5第2項において準用する法第145条第4項】の規定による教示は、書面でしなければならない。
2 【法第167条の5第2項において準用する法第145条第4項】の最高裁判所規則で定める事項は、【法第167条の8第1項又は第2項】の規定による【差押処分】の取消しの申立てに係る手続の内容とする。

「『債権』を『金銭債権』に読み替えるんだね」

(第三債務者に対し陳述を催告すべき事項等)【読み替え】
第135条 【法第167条の14第1項において準用する法第147条第1項】の規定により第三債務者に対し陳述を催告すべき事項は、次に掲げる事項とする。
一 【差押えに係る金銭債権】の存否並びに【その金銭債権】が存在するときは、【その種類及び額】
二 弁済の意思の有無及び弁済する範囲又は弁済しない理由
三 【当該金銭債権】について差押債権者に優先する権利を有する者があるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びにその権利の種類及び優先する範囲
四 【当該金銭債権】に対する他の債権者の差押え又は仮差押えの執行の有無並びにこれらの執行がされているときは、当該差押命令、差押処分又は仮差押命令の事件の表示、債権者の氏名又は名称及び住所並びに送達の年月日並びにこれらの執行がされた範囲
五 【当該金銭債権】に対する滞納処分による差押えの有無並びに差押えがされているときは、当該差押えをした徴収職員等の属する庁その他の事務所の名称及び所在、債権差押通知書の送達の年月日並びに差押えがされた範囲

「民事執行法167条の2第1項柱書により、金銭債権に限定されているからだね」
(少額訴訟債権執行の開始等)
第167条の2 次に掲げる少額訴訟に係る債務名義による金銭債権に対する強制執行は、前目の定めるところにより裁判所が行うほか、第2条の規定にかかわらず、申立てにより、この目の定めるところにより裁判所書記官が行う。
一 少額訴訟における確定判決
二 略

「手続取消の場合も読み替えるんだね」

「決定だけじゃなくて、処分もあるんだね」
(申立ての取下げ等の通知)【読み替え】
第136条
3 【少額訴訟債権執行の手続を取り消す旨の決定がされたとき、又は少額訴訟債権執行の手続を取り消す旨の処分をしたとき】は、裁判所書記官は、差押命令の送達を受けた第三債務者に対し、その旨を通知しなければならない。

「137条から138条も読み替えるね」

「民事執行法上も準用しているからだね」
(差押債権者の取立届の方式)【読み替え】
第137条 【法第167条の14第1項において準用する法第155条第4項】の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けた額及び年月日
(支払を受けていない旨の届出の方式)【読み替え】
第137条の2 【法第167条の14第1項において準用する法第155条第5項】の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けていない旨
2 前項の書面には、第三債務者から支払を受けていない理由を記載するものとする。
(差押命令の取消しの予告)【読み替え】
第137条の3 執行裁判所が【法第167条の14第1項において準用する法第155条第6項】の規定により差押命令を取り消すに
当たつては、裁判所書記官は、あらかじめ、差押債権者に対し、【法第167条の14第1項において準用する法第155条第4項又は第5項】の規定による届出をしないときは差押命令が取り消されることとなる旨を通知するものとする。
(第三債務者の事情届の方式等)【読み替え】
第138条 【法第167条の14第1項において準用する法第156条第3項】の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 差押債権者及び債務者の氏名又は名称
三 供託の事由及び供託した金額

条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p600-4)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p471-2)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月22日日曜日

改正民事執行規則26 (弁済金の交付の手続)149条の6

 (弁済金の交付の手続)
第149条の6 裁判所書記官は、法第167条の11第3項の規定により弁済金及び剰余金を交付するときは、弁済金の交付の日を定めなければならない。
2 弁済金の交付の日は、特別の事情がある場合を除き、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日(差し押さえられた債権が法第167条の14第1項において準用する法第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に法第167条の14第1項において準用する法第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日又は債務者に対して差押処分が送達された日から4週間を経過した日のいずれか遅い日)から1月以内の日としなければならない。
3 第59条第3項及び第60条から第62条までの規定は、法第167条の11第3項の規定により裁判所書記官が弁済金及び剰余金を交付する場合について準用する。この場合において、第60条中「配当期日等が定められたときは、裁判所書記官」とあるのは「裁判所書記官は、弁済金の交付の日を定めたとき」と、「配当期日等まで」とあるのは「弁済金の交付の日まで」と、「執行裁判所に提出する」とあるのは「提出する」と、第62条中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「少額訴訟債権執行の規定だね」

「民事執行法167条の11だね」
(配当等のための移行等)
第167条の11 第167条の14第1項において準用する第156条第1項若しくは第2項又は第157条第5項の規定により供託がされた場合において、債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができないため配当を実施すべきときは、執行裁判所は、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
2 前項に規定する場合において、差押えに係る金銭債権について更に差押命令又は差押処分が発せられたときは、執行裁判所は、同項に規定する地方裁判所における債権執行の手続のほか、当該差押命令を発した執行裁判所又は当該差押処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続にも事件を移行させることができる。
3 第1項に規定する供託がされた場合において、債権者が1人であるとき、又は債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができるときは、裁判所書記官は、供託金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。


「1項で、弁済金交付日を定めるんだね」

「民事執行規則59条1項と同趣旨らしいね」
(配当期日等の指定)
第59条 不動産の代金が納付されたときは、執行裁判所は、配当期日又は弁済金の交付の日(以下「配当期日等」という。)を定めなければならない。法第78条第4項本文の規定による申出があつた場合において、売却許可決定が確定したときも、同様とする。


「2項は、弁済金交付日の期間制限だね」

「括弧書きで民事執行法167条の14・152条・151条の2を除外しているね」
(債権執行の規定の準用)
第167条の14 第146条から第152条まで、第155条から第158条まで、第164条第5項及び第6項並びに第165条(第3号及び第4号を除く。)の規定は、少額訴訟債権執行について準用する。この場合において、第146条、第155条第4項から第6項まで及び第8項並びに第156条第3項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と、第146条第1項中「差押命令を発する」とあるのは「差押処分をする」と、第147条第1項、第148条第2項、第150条、第155条第1項、第6項及び第7項並びに第156条第1項中「差押命令」とあるのは「差押処分」と、第147条第1項及び第148条第1項中「差押えに係る債権」とあるのは「差押えに係る金銭債権」と、第149条中「差押命令が発せられたとき」とあるのは「差押処分がされたとき」と、第155条第7項中「決定」とあるのは「裁判所書記官の処分」と、第164条第5項中「差押命令の取消決定」とあるのは「差押処分の取消決定若しくは差押処分を取り消す旨の裁判所書記官の処分」と、第165条(見出しを含む。)中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
2 第167条の5第6項から第8項までの規定は、前項において読み替えて準用する第155条第6項の規定による裁判所書記官の処分がされた場合について準用する。
(差押禁止債権)
第152条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前2項の規定の適用については、前2項中「4分の3」とあるのは、「2分の1」とする。
(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
第151条の2 債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第30条第1項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。
一 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
二 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
三 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
四 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
2 前項の規定により開始する債権執行においては、各定期金債権について、その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみを差し押さえることができる。


「民事執行規則59条2項と同趣旨らしいね」

「期間は、どちらも1ヶ月だね」
(配当期日等の指定)
第59条 略
2 配当期日等は、特別の事情がある場合を除き、前項前段の場合にあつては代金が納付された日から、同項後段の場合にあつては売却許可決定が確定した日から1月以内の日としなければならない。


「3項は準用規定だね」

「民事執行規則59条3項の、弁済金交付日の通知だね」
(配当期日等の指定)
第59条
3 弁済金の交付の日が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者及び債務者に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。


「民事執行規則60条も準用するんだね」

「計算書の提出催告を、書記官に義務付けるんだね」
(計算書の提出の催告)
第60条 配当期日等が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者に対し、その債権の元本及び配当期日等までの利息その他の附帯の債権の額並びに執行費用の額を記載した計算書を1週間以内に執行裁判所に提出するよう催告しなければならない。


「民事執行規則61条も準用するんだね」

「書記官が交付手続をする規定だね」
(売却代金の交付等の手続)
第61条 各債権者及び債務者に対する売却代金の交付又は供託金の支払委託の手続は、裁判所書記官が行う。


「民事執行規則62条も準用するんだね」

「債務者・債権者が執行力ある債務名義の正本交付を求められる場合の規定だね」
(執行力のある債務名義の正本の交付)
第62条 差押債権者又は執行力のある債務名義の正本により配当要求をした債権者が債権の全額について配当等を受けたときは、債務者は、裁判所書記官に対し、当該債権者に係る執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
2 前項に規定する場合を除き、事件が終了したときは、同項の債権者は、裁判所書記官に対し、執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
3 前項の規定により執行力のある債務名義の正本の交付を求める債権者が債権の一部について配当等を受けた者であるときは、裁判所書記官は、当該債務名義の正本に配当等を受けた額を記載して、これを交付しなければならない。


「読み替えもするんだね」

「60条だね」
(計算書の提出の催告)【読み替え】
第60条 【裁判所書記官は、弁済金の交付の日を定めたとき】は、各債権者に対し、その債権の元本及び【弁済金の交付の日まで】の利息その他の附帯の債権の額並びに執行費用の額を記載した計算書を1週間以内に【提出する】よう催告しなければならない。

「62条も読み替えるんだね」

「配当等じゃなくて、弁済金の交付だね」
(執行力のある債務名義の正本の交付)【読み替え】
第62条 差押債権者又は執行力のある債務名義の正本により配当要求をした債権者が債権の全額について【弁済金の交付】を受けたときは、債務者は、裁判所書記官に対し、当該債権者に係る執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
2 前項に規定する場合を除き、事件が終了したときは、同項の債権者は、裁判所書記官に対し、執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
3 前項の規定により執行力のある債務名義の正本の交付を求める債権者が債権の一部について【弁済金の交付】を受けた者であるときは、裁判所書記官は、当該債務名義の正本に【弁済金の交付】を受けた額を記載して、これを交付しなければならない。


条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p597-9)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p470-1)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月19日木曜日

改正民事執行規則25 (電話加入権の売却についての嘱託)149条

 (弁済金の交付の手続)
第149条の6 裁判所書記官は、法第167条の11第3項の規定により弁済金及び剰余金を交付するときは、弁済金の交付の日を定めなければならない。
2 弁済金の交付の日は、特別の事情がある場合を除き、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日(差し押さえられた債権が法第167条の14第1項において準用する法第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に法第167条の14第1項において準用する法第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日又は債務者に対して差押処分が送達された日から4週間を経過した日のいずれか遅い日)から1月以内の日としなければならない。
3 第59条第3項及び第60条から第62条までの規定は、法第167条の11第3項の規定により裁判所書記官が弁済金及び剰余金を交付する場合について準用する。この場合において、第60条中「配当期日等が定められたときは、裁判所書記官」とあるのは「裁判所書記官は、弁済金の交付の日を定めたとき」と、「配当期日等まで」とあるのは「弁済金の交付の日まで」と、「執行裁判所に提出する」とあるのは「提出する」と、第62条中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html

 甲
「電話加入権?」

「民事執行法167条1項の財産権なんだろうけど、今は市場価値がほぼないらしいね」
(その他の財産権に対する強制執行)
第167条 不動産、船舶、動産及び債権以外の財産権(以下この条において「その他の財産権」という。)に対する強制執行については、特別の定めがあるもののほか、債権執行の例による。

「電話加入権は民事執行法161条1項の『取立てが困難』なんだね」

「だから、同項の特別換価命令の方法によるんだね」
(譲渡命令等)
第161条 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その債権を執行裁判所が定めた価額で支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)、取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令(以下「売却命令」という。)又は管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(以下「管理命令」という。)その他相当な方法による換価を命ずる命令を発することができる。

「嘱託ができるんだね」

「場所的に管轄が異なる場合だね」

「ちなみにどこが改正されたの?」

「改正前は、161条1項の命令が『確定した』だったね」

条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p583-5)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p470)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

(実践 民事執行法 民事保全法[第3版]p299-300)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8296.html
 

2020年11月15日日曜日

改正民事執行規則24 (不動産執行等の規定の準用)145条

 (不動産執行等の規定の準用)
第145条 第26条及び第27条の規定は債権執行について、第63条及び第65条から第72条までの規定は管理命令について、第141条第4項中調書に係る部分の規定は執行官が法第163条第2項の規定により動産を売却した場合について、第59条から第62条までの規定は債権執行につき執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。この場合において、第27条中「及び債務者」とあるのは、管理命令が発せられている場合にあつては、「、債務者及び管理人」と、第59条第1項中「不動産の代金が納付された」とあるのは「配当等を実施すべきこととなつた」と、同条第2項中「代金が納付された日から、同項後段」とあるのは「配当等を実施すべきこととなつた日(差し押さえられた債権が法第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に法第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、配当等を実施すべきこととなつた日又は債務者に対して差押命令が送達された日から4週間を経過した日のいずれか遅い日)から、前項後段」と読み替えるものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「準用規定だね」

「民事執行規則26条27条は、不動産強制競売の配当要求だね」

(配当要求の方式)
第26条 配当要求は、債権(略)の原因及び額を記載した書面でしなければならない。
(配当要求の通知)
第27条 配当要求があつたときは、裁判所書記官は、差押債権者及び債務者に対し、その
旨を通知しなければならない。

 

 「民事執行規則63条、65-72条も準用するんだね」

「不動産の強制管理だね」
(申立書の記載事項)
第63条 強制管理の申立書には、第21条各号に掲げる事項のほか、給付義務者(略)を特定するに足りる事項及び給付請求権(略)の内容であつて申立人に知れているものを記載しなければならない。
2 申立人は、給付義務者を特定するに足りる事項及び給付請求権の内容についての情報収集を行うよう努めなければならない。
(管理人の選任の通知等)
第65条 管理人が選任されたときは、裁判所書記官は、差押債権者、債務者及び給付義務者に対し、管理人の氏名又は名称を通知しなければならない。
2 裁判所書記官は、管理人に対し、その選任を証する文書を交付しなければならない。
3 管理人が解任されたときは、裁判所書記官は、差押債権者、債務者及び給付義務者に対し、その旨を通知しなければならない。
(管理人の辞任)
第66条 管理人は、正当な理由があるときは、執行裁判所の許可を得て辞任することができる。
2 前条第3項の規定は、管理人が辞任した場合について準用する。
(強制管理の申立ての取下げ等の通知)
第67条 強制管理の申立てが取り下げられたとき、又は強制管理の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、管理人及び給付義務者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 法第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書が提出されたときは、裁判所書記官は、管理人に対し、その旨を通知しなければならない。
(収取した収益等の報告義務)
第68条 管理人は、法第107条第1項の期間の満了後、速やかに、期間内に収取した収益又はその換価代金、法第98条第1項の規定に基づく決定により分与した金銭又は収益並びに法第106条第1項に規定する公課及び費用の明細を執行裁判所に報告しなければならない。
(配当協議の日又は弁済金の交付の日の指定)
第69条 管理人は、法第107条第1項の期間の満了後2週間以内の日を配当協議の日又は弁済金の交付の日と定め、各債権者及び債務者に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。
(配当計算書)
第70条 管理人は、配当協議の日までに配当計算書を作成しなければならない。
2 配当計算書には、配当に充てるべき金銭の額のほか、各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を記載しなければならない。
3 債権者間に配当計算書による配当と異なる配当の協議が調つたときは、管理人は、その協議に従い配当計算書を改めなければならない。
(事情届の方式)
第71条 法第104条第1項又は法第108条の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 差押債権者及び債務者の氏名又は名称
三 供託の事由及び供託した金額
2 前項の書面には、供託書正本及び配当計算書が作成されている場合にあつては、配当計算書を添付しなければならない。
第72条 法第107条第5項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 前条第1項第1号及び第2号に掲げる事項
二 配当に充てるべき金銭の額
三 配当協議が調わない旨及びその事情の要旨
2 前項の書面には、配当計算書を添付しなければならない。
3 管理人は、第1項の届出をするときは、配当に充てるべき金銭を執行裁判所に提出しなければならない。

  

「民事執行規則141条4項も準用するんだね」 

 

「調書に関する部分だね」 

(売却命令に基づく売却)

第141条
4 執行官は、売却の手続を終了したときは、速やかに、売得金及び売却に係る調書を執行裁判所に提出しなければならない。


「民事執行規則141条4項は、民事訴訟法163項2項の場合に準用するんだね」

「動産の引渡請求権を執行した場合だね」

(動産の引渡請求権の差押命令の執行)
第163条 動産の引渡請求権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、第三債務者に対し、差押債権者の申立てを受けた執行官にその動産を引き渡すべきことを請求することができる。
2 執行官は、動産の引渡しを受けたときは、動産執行の売却の手続によりこれを売却し、その売得金を執行裁判所に提出しなければならない。


「民事執行規則59条から62条も準用するんだね」

「配当とかだね」

(配当期日等の指定)
第59条 不動産の代金が納付されたときは、執行裁判所は、配当期日又は弁済金の交付の日(以下「配当期日等」という。)を定めなければならない。法第78条第4項本文の規定による申出があつた場合において、売却許可決定が確定したときも、同様とする。
2 配当期日等は、特別の事情がある場合を除き、前項前段の場合にあつては代金が納付された日から、同項後段の場合にあつては売却許可決定が確定した日から1月以内の日としなければならない。
3 弁済金の交付の日が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者及び債務者に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。
(計算書の提出の催告)
第60条 配当期日等が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者に対し、その債権の元本及び配当期日等までの利息その他の附帯の債権の額並びに執行費用の額を記載した計算書を1週間以内に執行裁判所に提出するよう催告しなければならない。
(売却代金の交付等の手続)
第61条 各債権者及び債務者に対する売却代金の交付又は供託金の支払委託の手続は、裁判所書記官が行う。
(執行力のある債務名義の正本の交付)
第62条 差押債権者又は執行力のある債務名義の正本により配当要求をした債権者が債権の全額について配当等を受けたときは、債務者は、裁判所書記官に対し、当該債権者に係る執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
2 前項に規定する場合を除き、事件が終了したときは、同項の債権者は、裁判所書記官に対し、執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
3 前項の規定により執行力のある債務名義の正本の交付を求める債権者が債権の一部について配当等を受けた者であるときは、裁判所書記官は、当該債務名義の正本に配当等を受けた額を記載して、これを交付しなければならない。


「読み替えもするんだね」

「まず27条だね」

(配当要求の通知)【読み替え

第27条 配当要求があつたときは、裁判所書記官は、差押債権者【、債務者及び管理人】に対し、その旨を通知しなければならない。



「59条もだね」

「1項2項それぞれあるね」

(配当期日等の指定)読み替え】 

 第59条 【配当等を実施すべきこととなつた】ときは、執行裁判所は、配当期日又は弁済金の交付の日(以下「配当期日等」という。)を定めなければならない。法第78条第4項本文の規定による申出があつた場合において、売却許可決定が確定したときも、同様とする。
2 配当期日等は、特別の事情がある場合を除き、前項前段の場合にあつては【配当等を実施すべきこととなつた日(差し押さえられた債権が法第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に法第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、配当等を実施すべきこととなつた日又は債務者に対して差押命令が送達された日から4週間を経過した日のいずれか遅い日)から、前項後段】の場合にあつては売却許可決定が確定した日から1月以内の日としなければならない。


条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p566-570)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p469-70)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月12日木曜日

改正民事執行規則23  (移転登記等の嘱託の申立てについて提出すべき文書)144条

 (移転登記等の嘱託の申立てについて提出すべき文書)
第144条 転付命令又は譲渡命令が効力を生じた場合において、法第164条第1項の申立てをするときは、記録上明らかな場合を除き、差し押さえられた債権に関し、これらの命令が第三債務者に送達された時までに他の差押え及び仮差押えの執行がないことを証する文書を提出しなければならない。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html

 甲
「転付命令・譲渡命令の場合だね」

「転付命令は民事執行法159条1項160条、譲渡命令は民事執行法161条1項だね」

(転付命令)
第159条 執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、支払に代えて券面額で差し押さえられた金銭債権を差押債権者に転付する命令(以下「転付命令」という。)を発することができる。
(転付命令の効力)
第160条 転付命令が効力を生じた場合においては、差押債権者の債権及び執行費用は、転付命令に係る金銭債権が存する限り、その券面額で、転付命令が第三債務者に送達された時に弁済されたものとみなす。
(譲渡命令等)
第161条 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その債権を執行裁判所が定めた価額で支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)(略)による換価を命ずる命令を発することができる。


「移転登記等の嘱託つまり民事執行法164条1項だね」

「担保されている場合の債権だね」
(移転登記等の嘱託)
第164条 第150条に規定する債権について、転付命令若しくは譲渡命令が効力を生じたとき、又は売却命令による売却が終了したときは、裁判所書記官は、申立てにより、その債権を取得した差押債権者又は買受人のために先取特権、質権又は抵当権の移転の登記等を嘱託し、及び同条の規定による登記等の抹消を嘱託しなければならない。


「民事執行法150条の債権だね」

「登記等のされた担保だね」
(先取特権等によつて担保される債権の差押えの登記等の嘱託)
第150条 登記又は登録(以下「登記等」という。)のされた先取特権、質権又は抵当権によつて担保される債権に対する差押命令が効力を生じたときは、裁判所書記官は、申立てにより、その債権について差押えがされた旨の登記等を嘱託しなければならない。


「嘱託の申立てをする場合の要件だね」

「他の差押えや仮差押えがないことを文書で証明するんだね」

「『記録上明らかな場合』は文書を提出しなくていいんだね」

「例えば、民事執行法147条1項・民事執行規則135条1項の陳述催告で、1項4号の『他の債権者の差押え又は仮差押えの執行の有無』で確認できるね」
(第三債務者の陳述の催告)
第147条 差押債権者の申立てがあるときは、裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、第三債務者に対し、差押命令の送達の日から2週間以内に差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならない。
(第三債務者に対し陳述を催告すべき事項等)
第135条 法第147条第1項の規定により第三債務者に対し陳述を催告すべき事項は、次に掲げる事項とする。
四 当該債権に対する他の債権者の差押え又は仮差押えの執行の有無並びにこれらの執行がされているときは、当該差押命令、差押処分又は仮差押命令の事件の表示、債権者の氏名又は名称及び住所並びに送達の年月日並びにこれらの執行がされた範囲

条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p564-6)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p469)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月11日水曜日

改正民事執行規則22 (売却命令に基づく売却)141条

 (売却命令に基づく売却)
第141条 執行裁判所は、差し押さえた債権の売得金の額が手続費用及び差押債権者の債権に優先する債権の額の合計額以上となる見込みがないと認めるときは、売却命令を発してはならない。
2 執行官は、手続費用及び差押債権者の債権に優先する債権の額の合計額以上の価額でなければ、債権を売却してはならない。
3 執行官は、代金の支払を受けた後でなければ、買受人に債権証書を引き渡し、及び法第161条第6項の通知をしてはならない。
4 執行官は、売却の手続を終了したときは、速やかに、売得金及び売却に係る調書を執行裁判所に提出しなければならない。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「売却命令だね」

「民事執行法161条1項だね」

(譲渡命令等)
第161条 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、(略)、取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令(以下「売却命令」という。)(略)を発することができる。


「1項・2項は、剰余がなけれ「は換価しないという規定だね」

「不動産競売の、民事執行法63条と同じ趣旨だね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
第63条 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(略)に通知しなければならない。
一 差押債権者の債権に優先する債権(略)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(略)の見込額を超えないとき。
二 優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。
2 略


「3項は債権証書と通知で、代金支払後だね」

「民事執行法161条6項は、債権売却の通知だね」
(譲渡命令等)
第161条 
6 執行官は、差し押さえられた債権を売却したときは、債務者に代わり、第三債務者に対し、確定日付のある証書によりその譲渡の通知をしなければならない。

「『確定日付のある証書』なんだね」

「民法466条2項の第三者対抗要件だね」
(債権の譲渡の対抗要件)
第467条 債権の譲渡(略)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。


「4項は、終了手続だね」

「執行官が調書を作って裁判所に提出するんだね」

  条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p551-4)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p469)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月8日日曜日

改正民事執行規則21 (差押命令の取消しの予告) 137条の3

(差押命令の取消しの予告)
第137条の3 執行裁判所が法第155条第6項の規定により差押命令を取り消すに当たつては、裁判所書記官は、あらかじめ、差押債権者に対し、同条第4項又は第5項の規定による届出をしないときは差押命令が取り消されることとなる旨を通知するものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「取消しの予告だね」

「民事執行法155条6項だね」
(差押債権者の金銭債権の取立て)
第155条 金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる。ただし、差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて支払を受けることができない。
2 差し押さえられた金銭債権が第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者の債権に第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)における前項の規定の適用については、同項中「1週間」とあるのは、「4週間」とする。
3 差押債権者が第3債務者から支払を受けたときは、その債権及び執行費用は、支払を受けた額の限度で、弁済されたものとみなす。
4 差押債権者は、前項の支払を受けたときは、直ちに、その旨を執行裁判所に届け出なければならない。
5 差押債権者は、第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日(前項又はこの項の規定による届出をした場合にあつては、最後に当該届出をした日。次項において同じ。)から第3項の支払を受けることなく2年を経過したときは、同項の支払を受けていない旨を執行裁判所に届け出なければならない。
6 第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日から2年を経過した後4週間以内に差押債権者が前2項の規定による届出をしないときは、執行裁判所は、差押命令を取り消すことができる。
7 差押債権者が前項の規定により差押命令を取り消す旨の決定の告知を受けてから1週間の不変期間内に第4項の規定による届出(差し押さえられた金銭債権の全部の支払を受けた旨の届出を除く。)又は第5項の規定による届出をしたときは、当該決定は、その効力を失う。
8 差押債権者が第5項に規定する期間を経過する前に執行裁判所に第3項の支払を受けていない旨の届出をしたときは、第5項及び第6項の規定の適用については、第5項の規定による届出があつたものとみなす。

「法律上は予告しなくても良いんだよね」

「そうだね」

「敢えて予告するの?」

「注意喚起の趣旨だね」

条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p545-6)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p468-9)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年11月7日土曜日

改正民事執行規則20 (支払を受けていない旨の届出の方式) 137条の2

(支払を受けていない旨の届出の方式)
第137条の2 法第155条第5項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けていない旨
2 前項の書面には、第三債務者から支払を受けていない理由を記載するものとする。
 (民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「支払を受けていない場合だね」

「民事執行法155条5項だね」
(差押債権者の金銭債権の取立て)
第155条 金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる。ただし、差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて支払を受けることができない。
2 差し押さえられた金銭債権が第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(略)における前項の規定の適用については、同項中「1週間」とあるのは、「4週間」とする。
3 差押債権者が第三債務者から支払を受けたときは、その債権及び執行費用は、支払を受けた額の限度で、弁済されたものとみなす。
4 差押債権者は、前項の支払を受けたときは、直ちに、その旨を執行裁判所に届け出なければならない。
5 差押債権者は、第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日(略)から第3項の支払を受けることなく2年を経過したときは、同項の支払を受けていない旨を執行裁判所に届け出なければならない。
6 第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日から2年を経過した後4週間以内に差押債権者が前2項の規定による届出をしないときは、執行裁判所は、差押命令を取り消すことができる。
7 差押債権者が前項の規定により差押命令を取り消す旨の決定の告知を受けてから1週間の不変期間内に第4項の規定による届出(略)又は第5項の規定による届出をしたときは、当該決定は、その効力を失う。
8 差押債権者が第5項に規定する期間を経過する前に執行裁判所に第3項の支払を受けていない旨の届出をしたときは、第5項及び第6項の規定の適用については、第5項の規定による届出があつたものとみなす。

「しないとどうなるの?」

「同条6項で、差押命令を取消せるようになるね」


「1項1号2号は、取立届と同じだね」

「民事訴訟規則137条だね」
(差押債権者の取立届の方式)
第137条 法第155条第4項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けた額及び年月日

「2項で、理由も記載するんだね」

「民事執行法155条5項には挙がっていないけどね」
(支払を受けていない旨の届出)東京地裁
https://www.courts.go.jp/tokyo/vc-files/tokyo/file/20200327_skk_siharaiwouketenai-todokede_54.pdf

「1項とは別なの?」

「任意的記載事項とされるね」
条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p543-4)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p355-7、468)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年10月23日金曜日

改正民事執行規則19 (差押債権者の取立届の方式) 第137条

(差押債権者の取立届の方式)
第137条 法第155条第4項の規定による届出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 事件の表示
二 債務者及び第三債務者の氏名又は名称
三 第三債務者から支払を受けた額及び年月日
 (民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「取立届だね」

「民事執行法155条4項で、第三債務者から支払を受けたときに届出る必要があるんだね」
(差押債権者の金銭債権の取立て)
第155条 金銭債権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる。ただし、差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて支払を受けることができない。
2 差し押さえられた金銭債権が第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(略)における前項の規定の適用については、同項中「1週間」とあるのは、「4週間」とする。
3 差押債権者が第三債務者から支払を受けたときは、その債権及び執行費用は、支払を受けた額の限度で、弁済されたものとみなす。
4 差押債権者は、前項の支払を受けたときは、直ちに、その旨を執行裁判所に届け出なければならない。
5 差押債権者は、第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日(略)から第3項の支払を受けることなく2年を経過したときは、同項の支払を受けていない旨を執行裁判所に届け出なければならない。
6 第1項の規定により金銭債権を取り立てることができることとなつた日から2年を経過した後4週間以内に差押債権者が前2項の規定による届出をしないときは、執行裁判所は、差押命令を取り消すことができる。
7 差押債権者が前項の規定により差押命令を取り消す旨の決定の告知を受けてから1週間の不変期間内に第4項の規定による届出(略)又は第5項の規定による届出をしたときは、当該決定は、その効力を失う。
8 差押債権者が第5項に規定する期間を経過する前に執行裁判所に第3項の支払を受けていない旨の届出をしたときは、第5項及び第6項の規定の適用については、第5項の規定による届出があつたものとみなす。

「記載事項は1号から3号だね」

「1号は、裁判所と事件番号だね」

「2号は、債務者と第三債務者だね」

「銀行が第三債務者になりがちだね」

「3号は、第三債務者から支払を受けた額と年月日だね」

「3号『支払を受けた』は、書式では『取り立てた』としているね」
(債権者が第三債務者から債権の取立てができた場合に提出する書類)大阪地裁
(債権取立届兼取下書)
https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/file/syosiki_p_13.pdf

条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p541-3)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p468)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/ 

2020年10月20日火曜日

改正民事執行規則18 (債務者に対する教示の方式等) 第133条の2

【第7款 債権及びその他の財産権に対する強制執行】
【第1目 債権執行等】
(債務者に対する教示の方式等)
第133条の2 法第145条第4項の規定による教示は、書面でしなければならない。
2 法第145条第4項の最高裁判所規則で定める事項は、法第153条第1項又は第2項の規定による差押命令の取消しの申立てに係る手続の内容とする。

 (民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「債権執行だね」

「1項は教示の方式、つまり書面によるんだね」

「民事執行法154条4項だね」

「『教示しなければならない』と定めているね」
(差押命令)
第145条 執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第3債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
2 差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。
3 差押命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。
4 裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、債務者に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第153条第1項又は第2項の規定による当該差押命令の取消しの申立てをすることができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない。

「2項は教示内容だね」

「『差押命令の取消しの申立てに係る手続』だね」

「民事執行法153条1項2項の、差押禁止債権の範囲の変更手続だね」

「差押命令の取消し等だね」
(差押禁止債権の範囲の変更)
第153条 執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。
2 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定により差押命令が取り消された債権を差し押さえ、又は同項の規定による差押命令の全部若しくは一部を取り消すことができる。
3 前2項の申立てがあつたときは、執行裁判所は、その裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせ、又は立てさせないで、第三債務者に対し、支払その他の給付の禁止を命ずることができる。
4 第1項又は第2項の規定による差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
5 第3項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(差押禁止債権の範囲変更申立てQ&A)大阪地裁
https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/2020/0200401_14minn_kaitei_04/04_tenpufairu/04_01.p.pdf
条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p531-2)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p334-5)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/