2020年11月22日日曜日

改正民事執行規則26 (弁済金の交付の手続)149条の6

 (弁済金の交付の手続)
第149条の6 裁判所書記官は、法第167条の11第3項の規定により弁済金及び剰余金を交付するときは、弁済金の交付の日を定めなければならない。
2 弁済金の交付の日は、特別の事情がある場合を除き、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日(差し押さえられた債権が法第167条の14第1項において準用する法第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に法第167条の14第1項において準用する法第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、弁済金及び剰余金を交付すべきこととなつた日又は債務者に対して差押処分が送達された日から4週間を経過した日のいずれか遅い日)から1月以内の日としなければならない。
3 第59条第3項及び第60条から第62条までの規定は、法第167条の11第3項の規定により裁判所書記官が弁済金及び剰余金を交付する場合について準用する。この場合において、第60条中「配当期日等が定められたときは、裁判所書記官」とあるのは「裁判所書記官は、弁済金の交付の日を定めたとき」と、「配当期日等まで」とあるのは「弁済金の交付の日まで」と、「執行裁判所に提出する」とあるのは「提出する」と、第62条中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「少額訴訟債権執行の規定だね」

「民事執行法167条の11だね」
(配当等のための移行等)
第167条の11 第167条の14第1項において準用する第156条第1項若しくは第2項又は第157条第5項の規定により供託がされた場合において、債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができないため配当を実施すべきときは、執行裁判所は、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
2 前項に規定する場合において、差押えに係る金銭債権について更に差押命令又は差押処分が発せられたときは、執行裁判所は、同項に規定する地方裁判所における債権執行の手続のほか、当該差押命令を発した執行裁判所又は当該差押処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続にも事件を移行させることができる。
3 第1項に規定する供託がされた場合において、債権者が1人であるとき、又は債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができるときは、裁判所書記官は、供託金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。


「1項で、弁済金交付日を定めるんだね」

「民事執行規則59条1項と同趣旨らしいね」
(配当期日等の指定)
第59条 不動産の代金が納付されたときは、執行裁判所は、配当期日又は弁済金の交付の日(以下「配当期日等」という。)を定めなければならない。法第78条第4項本文の規定による申出があつた場合において、売却許可決定が確定したときも、同様とする。


「2項は、弁済金交付日の期間制限だね」

「括弧書きで民事執行法167条の14・152条・151条の2を除外しているね」
(債権執行の規定の準用)
第167条の14 第146条から第152条まで、第155条から第158条まで、第164条第5項及び第6項並びに第165条(第3号及び第4号を除く。)の規定は、少額訴訟債権執行について準用する。この場合において、第146条、第155条第4項から第6項まで及び第8項並びに第156条第3項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と、第146条第1項中「差押命令を発する」とあるのは「差押処分をする」と、第147条第1項、第148条第2項、第150条、第155条第1項、第6項及び第7項並びに第156条第1項中「差押命令」とあるのは「差押処分」と、第147条第1項及び第148条第1項中「差押えに係る債権」とあるのは「差押えに係る金銭債権」と、第149条中「差押命令が発せられたとき」とあるのは「差押処分がされたとき」と、第155条第7項中「決定」とあるのは「裁判所書記官の処分」と、第164条第5項中「差押命令の取消決定」とあるのは「差押処分の取消決定若しくは差押処分を取り消す旨の裁判所書記官の処分」と、第165条(見出しを含む。)中「配当等」とあるのは「弁済金の交付」と読み替えるものとする。
2 第167条の5第6項から第8項までの規定は、前項において読み替えて準用する第155条第6項の規定による裁判所書記官の処分がされた場合について準用する。
(差押禁止債権)
第152条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前2項の規定の適用については、前2項中「4分の3」とあるのは、「2分の1」とする。
(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
第151条の2 債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第30条第1項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。
一 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
二 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
三 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
四 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
2 前項の規定により開始する債権執行においては、各定期金債権について、その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみを差し押さえることができる。


「民事執行規則59条2項と同趣旨らしいね」

「期間は、どちらも1ヶ月だね」
(配当期日等の指定)
第59条 略
2 配当期日等は、特別の事情がある場合を除き、前項前段の場合にあつては代金が納付された日から、同項後段の場合にあつては売却許可決定が確定した日から1月以内の日としなければならない。


「3項は準用規定だね」

「民事執行規則59条3項の、弁済金交付日の通知だね」
(配当期日等の指定)
第59条
3 弁済金の交付の日が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者及び債務者に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。


「民事執行規則60条も準用するんだね」

「計算書の提出催告を、書記官に義務付けるんだね」
(計算書の提出の催告)
第60条 配当期日等が定められたときは、裁判所書記官は、各債権者に対し、その債権の元本及び配当期日等までの利息その他の附帯の債権の額並びに執行費用の額を記載した計算書を1週間以内に執行裁判所に提出するよう催告しなければならない。


「民事執行規則61条も準用するんだね」

「書記官が交付手続をする規定だね」
(売却代金の交付等の手続)
第61条 各債権者及び債務者に対する売却代金の交付又は供託金の支払委託の手続は、裁判所書記官が行う。


「民事執行規則62条も準用するんだね」

「債務者・債権者が執行力ある債務名義の正本交付を求められる場合の規定だね」
(執行力のある債務名義の正本の交付)
第62条 差押債権者又は執行力のある債務名義の正本により配当要求をした債権者が債権の全額について配当等を受けたときは、債務者は、裁判所書記官に対し、当該債権者に係る執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
2 前項に規定する場合を除き、事件が終了したときは、同項の債権者は、裁判所書記官に対し、執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
3 前項の規定により執行力のある債務名義の正本の交付を求める債権者が債権の一部について配当等を受けた者であるときは、裁判所書記官は、当該債務名義の正本に配当等を受けた額を記載して、これを交付しなければならない。


「読み替えもするんだね」

「60条だね」
(計算書の提出の催告)【読み替え】
第60条 【裁判所書記官は、弁済金の交付の日を定めたとき】は、各債権者に対し、その債権の元本及び【弁済金の交付の日まで】の利息その他の附帯の債権の額並びに執行費用の額を記載した計算書を1週間以内に【提出する】よう催告しなければならない。

「62条も読み替えるんだね」

「配当等じゃなくて、弁済金の交付だね」
(執行力のある債務名義の正本の交付)【読み替え】
第62条 差押債権者又は執行力のある債務名義の正本により配当要求をした債権者が債権の全額について【弁済金の交付】を受けたときは、債務者は、裁判所書記官に対し、当該債権者に係る執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
2 前項に規定する場合を除き、事件が終了したときは、同項の債権者は、裁判所書記官に対し、執行力のある債務名義の正本の交付を求めることができる。
3 前項の規定により執行力のある債務名義の正本の交付を求める債権者が債権の一部について【弁済金の交付】を受けた者であるときは、裁判所書記官は、当該債務名義の正本に【弁済金の交付】を受けた額を記載して、これを交付しなければならない。


条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p597-9)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p470-1)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/