(寄託物受取り前の寄託者による寄託の解除等)
第657条の2 寄託者は、受寄者が寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、受寄者は、その契約の解除によって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。
2 無報酬の受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による寄託については、この限りでない。
3 受寄者(無報酬で寄託を受けた場合にあっては、書面による寄託の受寄者に限る。)は、寄託物を受け取るべき時期を経過したにもかかわらず、寄託者が寄託物を引き渡さない場合において、相当の期間を定めてその引渡しの催告をし、その期間内に引渡しがないときは、契約の解除をすることができる。
(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf
甲
「受取り前の規定だね」
乙
「要物契約だった場合は、受け取っていなければ契約が成立していないね」
甲
「1項は寄託者の解除権だね」
乙
「使用貸借の593条の2とほぼ同じだね」
「損害賠償される場合があるね」
甲
「2項は受寄者の解除権だね」
乙
「無報酬で書面によらない場合の受取り前だね」
「587条の2の、書面でする諾成的消費貸借の借主も受取り前は解除できるね」
甲
「贈与の550条に似ているね」
乙
「贈与は『各当事者』つまり双方とも解除できるね」
甲
「3項も受寄者の解除権だね」
乙
「2項が適用されない、有償か書面による無償の場合だね」
甲
「本条の『書面』って、587条の2の電磁的記録は含まないの?」
乙
「含まないらしいね」
「2項ただし書きの解除制限を、『書面』の範囲を拡張する必要が乏しいからだね」
(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)
第593条の2 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。
(書面でする消費貸借等)
第587条の2 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 略
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前3項の規定を適用する。
(書面によらない贈与の解除)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
(一問一答 民法(債権関係)改正p355,357-9)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
(我妻・有泉コンメンタール民法p1334-5)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。