2019年10月22日火曜日

債権各論209 改正民法724条

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。
二 不法行為の時から20年間行使しないとき。

(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089


(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf


「消滅時効の規定だね」

「本条の2号にあたる長期のほうについて、改正前には除斥期間とされていた(判例1)のを消滅時効と改正したんだね」

「除斥期間じゃなくて消滅時効とした実益は?」

「時効の完成を阻止できる」
「消滅時効の主張に対して、信義則違反や権利濫用を認定できる」

「結果としてどうなるの?」

「被害者救済の余地が、除斥期間の場合(判例2)より広がるとされるね」

(判例1)
最判平成元年12月21日民集第43巻12号2209頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52709


(判例2)
最判平成21年4月28日民集第63巻4号853頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=37556


(一問一答 民法(債権関係)改正p63-4) 
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332 
(我妻・有泉コンメンタール民法p1563-7)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
 ※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。