(責任能力)
第712条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
第713条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
甲
「責任能力の規定だね」
乙
「他人に損害を加えた場合賠償責任を負わないんだね」
甲
「どちらも『自己の行為の責任を弁識する』ことができない場合だね」
乙
「712条は未成年者でかつ、責任能力がない場合のことだね」
甲
「未成年者の中で、責任能力があったりなかったりするの?」
乙
「そうだね」
甲
「年齢が低いと責任能力がないということ?」
乙
「年齢も考慮するけど、総合判断だね」
「12歳7ヶ月で責任能力がないとした一方で、11歳1ヶ月なのに責任能力があるとした例があるね」
甲
「713条ただし書きは、刑法総論分野で似た概念があるね」
乙
「原因において自由な行為だね」
甲
「刑法の条文にはないね」
乙
「改正刑法草案にはあるけどね」
・原因において自由な行為・改正刑法草案について
(北海学園大学学園論集(167)(2016年3月)p1-29)
http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/3062/1/%E5%AD%A6%E5%9C%92%E8%AB%96%E9%9B%86167%E5%8F%B7_01_%E5%90%89%E7%94%B0%E8%AB%96%E6%96%87..pdf
(我妻・有泉コンメンタール民法p1524-7)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
(我妻事務管理・不当利得・不法行為p117-20)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/2368.html