2019年10月13日日曜日

債権各論200 民法715条

(使用者等の責任)
第715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
 

(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089


 甲
「いわゆる使用者責任だね」

「1項本文の『被用者』が不法行為をした場合、使用者も賠償責任を負うんだね」

「『被用者』が709条の要件を満たしている必要があるね」

「他には、使用関係と不法行為が使用者の『事業の執行について』である必要があるね」
「2項の場合は、使用関係じゃなくて代理監督関係だね」

「『被用者』に責任能力が必要なんだね」

「712条で出てきたけど、12歳7ヶ月に責任能力がないから714条、11歳1ヶ月に責任能力があるから715条を根拠に請求できるね」

「1項ただし書きは、使用者が主張立証するんだね」

「立証責任の転換だね」
 「報償責任・危険責任という趣旨からすると、免責を認めるのは難しくて、実際に認めた例は少ないね」

「3項は求償だね」

「使用者・被用者間の損害の公平な分担を考慮して、求償を制限することがあるね(判例)」

 (判例)
最判昭和51年7月8日民集第30巻7号689頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54209



(我妻・有泉コンメンタール民法p1530-9)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
 (要件事実マニュアル2p402-6) 
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256