(共同不法行為者の責任)
第719条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
甲
「共同不法行為だね」
乙
「1項前段の『共同』は、客観的なものであればいいんだね(判例1)」
甲
「効果の『連帯』って連帯債務?」
乙
「不真正連帯債務だね(判例2)」
「債権総論の連帯債務自体が改正されたけどね」
甲
「求償もできるの?」
乙
「できるらしいね(判例3)」
「根拠は不当利得か事務管理の費用償還と考えられるね」
甲
「1項後段は、加害者不明の場合だね」
乙
「因果関係を推定するんだね」
「刑法207条に似ているね」
甲
「1項後段の、他のケースは?」
乙
「損害一体型、つまり損害は一体だけど加害行為が別々といえる場合だね」
「類推適用という見解もあるね」
甲
「2項は教唆・幇助だね」
乙
「教唆・幇助は刑法にもあるね」
(連帯債務者間の求償権)
第442条 連帯債務者の1人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。
(管理者による費用の償還請求等)
第702条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
2・3 略
(不当利得の返還義務)
第703条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
刑法
(同時傷害の特例)
第207条 2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
第11章 共犯
(共同正犯)
第60条 2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
(教唆)
第61条 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。
(幇助)
第62条 正犯を幇助した者は、従犯とする。
2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
(判例1)
最判昭和43年4月23日民集第22巻4号964頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53934
(判例2)
最判昭和57年3月4日集民第135号269頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=66887
(判例3)
最判平成3年10月25日民集第45巻7号1173頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52750
(我妻・有泉コンメンタール民法p1548-53)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
(要件事実マニュアル2p417-30)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256