2019年10月10日木曜日

債権各論197 民法711条

(近親者に対する損害の賠償)
第711条 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
 

(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

「710条と同じく、慰謝料の規定だね」

「『財産権が侵害されなかった場合』、少なくとも請求者本人の財産権侵害は要件としていないんだね」

「近親者の生命侵害が要件だね」

「『生命』でなくても賠償を認めたけど、709・710条に基づくね(判例1)」

「近親者の範囲は父母・配偶者・子だね」

死亡した被害者の夫の妹に本条を類推適用したことがあるよ(判例2)」

(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第710条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
(判例1)
最判昭和33年8月5日民集第12巻12号1901頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52849

(判例2)
最判昭和49年12月17日民集第28巻10号2040頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55148

 














(我妻・有泉コンメンタール民法p1522-4)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
 (要件事実マニュアル2p495) 
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256