2019年10月3日木曜日

債権各論190 民法689-694条


「終身定期金だね」

「現代の日本では、保険や年金が終身定期金と同じような機能を果たしているね」

「民法上の終身定期金契約を、実際にするケースってあるの?」

「極めて稀らしいね」
「平成29年の債権法改正でも、特に改正はないね」

【第13節 終身定期金】
(終身定期金契約)
第689条 終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。
(終身定期金の計算)
第690条 終身定期金は、日割りで計算する。
(終身定期金契約の解除)
第691条 終身定期金債務者が終身定期金の元本を受領した場合において、その終身定期金の給付を怠り、又はその他の義務を履行しないときは、相手方は、元本の返還を請求することができる。この場合において、相手方は、既に受け取った終身定期金の中からその元本の利息を控除した残額を終身定期金債務者に返還しなければならない。
2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
(終身定期金契約の解除と同時履行)
第692条 第533条の規定は、前条の場合について準用する。
(終身定期金債権の存続の宣告)
第693条 終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第689条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。
2 前項の規定は、第691条の権利の行使を妨げない。
(終身定期金の遺贈)
第694条 この節の規定は、終身定期金の遺贈について準用する。

(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

(同時履行の抗弁)
第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

  (我妻・有泉コンメンタール民法p1371-4)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html