2019年10月21日月曜日

債権各論208 改正民法723条

(名誉毀損における原状回復)
第723条 他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
(e-Gove法令検索)

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

「名誉毀損は、722条1項・417条の金銭賠償の例外なんだね」

「損害賠償だけじゃなくて『名誉を回復するのに適当な処分』もできるんだね」

「『適当な処分』って?」

「謝罪広告とかだね」

「差止めを認めた判例もあるね」

「判例は『名誉回復のための処分(同法七二三条)を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき』としているね」

「要するに事前差止めだから、名誉権が対象だけど『回復するのに適当な処分』とは別らしいね」 

「刑法にも名誉毀損はあるね」

「民事の損害賠償を否定する抗弁、つまり違法性や故意過失がない場合の判断で参考にはなるね」

(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)
第722条 第417条及び第417条の2の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 略
(損害賠償の方法)
第417条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
(判例)
最判昭和61年6月11日民集第40巻4号872頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52665



 

刑法
(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第230条の2 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
(我妻・有泉コンメンタール民法p)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
(我妻事務管理・不当利得・不法行為p)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/2368.html

 (要件事実マニュアル2p) 
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256