2019年5月25日土曜日

債権各論63 民法578条

※改正なし
(売主による代金の供託の請求)
第578条 前2条の場合においては、売主は、買主に対して代金の供託を請求することができる。
 (e-Gove法令検索)

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

「供託の請求だね」

「『前2条』つまり支払拒絶の場合だね」

「供託しないとどうなるの?」

「判例※では、支払拒絶できなくなるね」

(供託)
第494条 弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。
一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。
二 債権者が弁済を受領することができないとき。
2 弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。
(権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶)
第576条 売買の目的について権利を主張する者があることその他の事由により、買主がその買い受けた権利の全部若しくは一部を取得することができず、又は失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。
(抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶)
第577条 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。
2 前項の規定は、買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権又は質権の登記がある場合について準用する。

判例※大判昭和14年4月15日民集18巻7号429頁
(カタカナ等を改めたもの)
「売主が買主に対して代金の供託を請求したるにかかわらず買主においてこれが供託をなさざるときは代金の支払拒絶権を行使し得ざるものと解するを相当なりとす」
(我妻・有泉コンメンタール民法p971・1181)

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