(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第566条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf
甲
「期間制限の規定だね」
乙
「『知った時から1年』というのは改正前と同じだね」
甲
「期間制限は、種類・品質の不適合に限るんだね」
乙
「数量や権利の不適合には、本条本文の期間制限は適用されないんだね」
甲
「何で?」
乙
「売主は、買主からの担保責任追及に備える必要がある」
甲
「具体的には?」
乙
「関係証拠の保存だね」
「長期間保存するのは、売主にとって負担だね」
甲
「売主が負担するのは、しょうがないんじゃないの?」
乙
「種類・品質の不適合つまり物理的な瑕疵について、長期間負担するのは酷」
「一方、数量は見ればわかる」
「権利も、登記で対抗要件を得るときに判明するのが普通」
甲
「数量や権利については、売主にとって酷でないということ?」
乙
「そうだね」
「だから、買主の権利を制限すべきでない」
甲
「悪意重過失なら売主にとって酷でないから、種類・品質であっても期間制限しないんだね」
乙
「本条ただし書だね」
甲
「本条本文の、1年以内にするのは『通知』でいいんだね」
乙
「請求でなくていいんだね」
「買主の負担軽減だね」
甲
「商法も改正するんだね」
乙
「いわゆる整備法だね」
甲
「商法526条1項の『商人間の売買』って具体的には?」
乙
「売主買主双方が商人の場合だね」
【商法
(買主による目的物の検査及び通知)
第526条 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が6箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。
3 前項の規定は、売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合には、適用しない。
(法務省・民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00176.html
(法務省資料)
http://www.moj.go.jp/content/001255639.pdf
(最判昭和45年2月26日集民第98号291頁)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=66711
(一問一答 民法(債権関係)改正p284-6 )
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
(要件事実マニュアル 第5版 第2巻 民法2p102)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。