2019年4月30日火曜日

債権各論39 民法554条

※改正なし
(死因贈与)
第554条 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(e-Gove法令検索)http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

「死因贈与の規定だね」

「贈与者が死亡したらという、停止条件付きの契約だね」

「遺贈と性質が似ているね」

「遺贈は契約じゃないけどね」

「契約じゃないということは、単独行為?」

「そうだね」
「だから、単独行為特有の規定は準用されないね」

(条件が成就した場合の効果)
第127条 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 略
※改正
(包括遺贈及び特定遺贈)
第964条  遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

(相続10 改正964条)
https://bengoshinobenkyou.blogspot.com/2018/09/10.html
(我妻・有泉コンメンタール民法p1131-2)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7694.html
(民法(全)p660)
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641138124

2019年4月29日月曜日

債権各論38 民法553条

※改正なし
 (負担付贈与)
第553条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。

(e-Gove法令検索) 
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089 


「負担付贈与だね」

「551条2項も負担付贈与の規定だね」

「『その性質に反しない限り』って具体的には?」

「負担との対価関係が認められる範囲は、
利益状況が双務契約と同じという意味なんだろうね」

(贈与者の引渡義務等)
第551条 略
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。
(我妻・有泉コンメンタール民法p1130-1)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7694.html

2019年4月28日日曜日

債権各論37 民法552条

※改正なし
(定期贈与)
第552条 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う。

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089


「定期贈与の規定で、どちらかの死亡で効力がなくなるんだね」

「当事者の通常の意思を推測したんだね」

「例えば、期間を10年間と決めた場合に途中でどちらかが死亡しても、効力がなくなるの?」

「期間を決めなかった場合と同じで、反対の意思表示がなければ効力がなくなるというのが判例※だね」

「例えば、受贈者が死亡するまでという期間を定めた場合は?」

「死亡するまでだと、終身定期金という贈与とは別の契約になるね」

※大判大正6年11月5日民事判決録23輯1737頁
(カタカナ等を改めたもの)
「その定期贈与が終期の定めなき無期限贈与なるとを終期の定めある期限付贈与なるとにより毫も法の適用を左右すべきものにあらず」

(終身定期金契約)
第689条 終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。

(我妻・有泉コンメンタール民法p1130)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7694.html
(我妻債権各論中巻1民法講義V2p236)
https://www.iwanami.co.jp/book/b260854.html

2019年4月27日土曜日

債権各論36 改正民法551条

(贈与者の引渡義務等)
第551条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
 
(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf


「改正前は担保責任を負わないとしていたね」

「担保責任を負うけど、特定時の状態でいいという推定することにしたんだね」

「553条の負担付贈与の場合は、担保責任を負うんだね」 


(負担付贈与)
第553条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。
 

(一問一答 民法(債権関係)改正p264-6)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。

2019年4月26日金曜日

債権各論35 改正民法550条

(書面によらない贈与の解除)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
 

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089



(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf


「『撤回』を『解除』にするんだね」

「契約成立後に効力を消すのが『撤回』だね」

「他の条文でも『撤回』という文言を使っているの?」

「『解除』だよ」

「だから用語を統一するの?」

「そうらしいね」

(一問一答 民法(債権関係)改正p264)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。

2019年4月25日木曜日

債権各論34 改正民法549条

【第2節 贈与】
(贈与)
第549条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
 

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf
南国のサンタクロースのイラスト


「『自己の財産』を『ある財産』に改正するんだね」

「自分の物でない贈与でも有効という判例※を明文化するんだね」


※最判昭和43年4月19日 集民第94号167頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=70357


(一問一答 民法(債権関係)改正p264)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。

2019年4月24日水曜日

債権各論33 改正民法548条の4

(定型約款の変更)
第548条の4 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。
2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。
3 第1項第2号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。
4 第548条の2第2項の規定は、第1項の規定による定型約款の変更については、適用しない。
 

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※) 
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf
 甲
「変更の規定だね」

「変更についても合意があったとみなす場合があるんだね」

「変更内容は1項の要件を満たす必要があるね」

「1項は実体的要件で、2・3項は周知という手続的要件だね」

「548条の2第2項の、いわゆる不当条項は適用しなくていいの?」

「本条1項の、変更の場合のほうが厳格だから必要ないよ」

「具体的には?」

「本条1項2号の『合理的』でなければ変更が認められない」
「548条の2は『相手方の利益を一方的に害する』のでなければ、みなし合意を認めることになっているね」


548条の2
 2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第1条第2項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。

(法務省パンフ)
http://www.moj.go.jp/content/001289629.pdf
(法務省資料)
http://www.moj.go.jp/content/001255638.pdf

(一問一答 民法(債権関係)改正p257-65)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。