2019年6月27日木曜日

債権各論94 改正民法605条の4

(不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)
第605条の4 不動産の賃借人は、第605条の2第1項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。
一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の請求
二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求

(e-Gove法令検索)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf


「妨害の停止、返還の規定だね」

「判例※の明文化だね」

「占有権に同じような規定があるね」

「198-200条だね」

「本条1号は妨害排除、2号は返還の規定だね」

「占有権でいう198条・200条にあたるね」

「199条にあたる、妨害予防の規定はないの?」

「明文化は見送ったよ」

「理由は?」

「賃借権は債権だからね」

「具体的には?」

「債権に物権的請求権を認めるのは例外であるべきだからだよ」

(不動産の賃貸人たる地位の移転)
第605条の2 前条、借地借家法(平成3年法律第90号)第10条又は第31条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
2 略
(占有保持の訴え)
第198条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
(占有保全の訴え)
第199条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
(占有回収の訴え)
第200条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2 略

判例※
最判昭和28年12月18日民集第7巻12号1515頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56138
 
(一問一答 民法(債権関係)改正p314)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
(我妻・有泉コンメンタール民法p1237-8)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7694.html

(要件事実マニュアル2p335-6)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256 
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。