2019年6月12日水曜日

債権各論79 改正民法593条の2

(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)
第593条の2 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。

(e-Gove法令検索) 
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089 

(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)  
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf 

「受取り前は解除できるんだね」

「諾成契約に改正したけど、契約の拘束力を緩和するんだね」

「贈与の550条と同じ?」

「似ているけど、ただし書が少し違うね」

「本条ただし書は、書面による使用貸借契約は解除できない」

「550条ただし書は『履行の終わった部分』だね」

「消費貸借の587条の2第4項みたいに、電磁的記録は書面とみなさないの?」

「みなさないね」
「制度趣旨が違うし、解除できる場合を狭くしなくていいという考えだね」

(書面によらない贈与の解除)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
(書面でする消費貸借等)
第587条の2 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前3項の規定を適用する。
(一問一答 民法(債権関係)改正p303)  

https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332 
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。