弁護士が法改正等を読み、主に対話形式で説明を試みます。 司法試験で行っていた勉強法、いわゆるセルフレクチャー※を文字起こししたイメージです。 ※自分で自分に説明して理解や記憶を目指す、「夢をかなえる勉強法」(伊藤真著)等参照。 ※本文の法令・リンク先の情報は投稿時のものです。
2020年1月16日木曜日
契約書3 賃貸住宅標準契約書・頭書(2)契約期間
(国交省・『賃貸住宅標準契約書』について)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html?fbclid=IwAR3haqoFoHW0rnfgVWTqvJLt472RdjNtKowJY5kWSAECw5EUlBpwEgwpr-8
甲
「契約期間だね」
乙
「始期・終期を年月日で特定するんだね」
甲
「始期って、民法601条の使用収益を始める時期だよね」
乙
「要するに入居可能日だね」
甲
「契約した日とは別だね」
乙
「結果的に同じ日になることはあるけどね」
甲
「1月15日に契約して、入居できるのは2月1日から、ということもあるんだね」
乙
「始期が2月1日からの契約を、1月15日に締結した、ということだね」
甲
「期間には法律による縛りがあるの?」
乙
「民法604条の存続期間は、借地借家法29条2項で適用しないから、50年を超えてもいいんだね」
甲
「借地借家法3条みたいに、存続期間が一律に決まっているわけではないね」
乙
「同条は借地の規定だね」
「契約で1年未満と定めたら、借地借家法29条1項で期間の定めがなくなるね」
・民法
(賃貸借)
第601条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
(賃貸借の存続期間)
第604条 賃貸借の存続期間は、50年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、50年とする。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から50年を超えることができない。
・借地借家法
(建物賃貸借の期間)
第29条 期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
2 民法(明治29年法律第89号)第604条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。
(借地権の存続期間)
第3条 借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
(国交省・◇「賃貸住宅標準契約書 平成30年3月版・連帯保証人型」p13)
https://www.mlit.go.jp/common/001230366.pdf
(新基本法コンメンタール 借地借家法[第2版]p185-9)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8058.html