(賃料)
第4条 乙は、頭書(3)の記載に従い、賃料を甲に支払わなければならない。
2 1か月に満たない期間の賃料は、1か月を30日として日割計算した額とする。
3 甲及び乙は、次の各号の一に該当する場合には、協議の上、賃料を改定することができる。
一 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により賃料が不相当となった場合
二 土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により賃料が不相当となった場合
三 近傍同種の建物の賃料に比較して賃料が不相当となった場合
(国交省・『賃貸住宅標準契約書』について)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html?fbclid=IwAR3haqoFoHW0rnfgVWTqvJLt472RdjNtKowJY5kWSAECw5EUlBpwEgwpr-8
甲
「1項が賃料支払義務、2項が日割計算、3項が賃料額の改定だね」
乙
「1項・2項は使用の対価だね」
「日割計算は、月によって日数が違うけど30日にするんだね」
甲
「3項は協議で改定、つまり額を増減できるんだね」
乙
「3項各号の要素は、借地借家法32条1項本文と同じだね」
甲
「借地借家法と同じ規定を契約条項にしたの?」
乙
「契約条項は、改定の合意と考えられるね」
甲
「借地借家法の規定は?」
乙
「借地借家法32条2項3項で『協議が調わないとき』『裁判が確定』という文言があるから、合意がなくても裁判で増減を決めるんだね」
「判例※では形成権とされるね」
・借地借家法
(借賃増減請求権)
第32条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。
※
最判平成26年9月25日民集第68巻7号661頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84488
(要件事実マニュアル2p341-8)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9256
(国交省・◇「賃貸住宅標準契約書 平成30年3月版・連帯保証人型」p23)
https://www.mlit.go.jp/common/001230366.pdf