(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 差押債権者は、法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
一 次に掲げる事項を記載し、差押債権者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が記名押印した陳述書
イ 差押債権者の氏名(振り仮名を付す。)又は名称及び住所
ロ 差押債権者が個人であるときは、その生年月日及び性別
ハ 差押債権者が法人であるときは、その役員の氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ニ 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が個人であるときは、その氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ホ 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が法人であるときは、その名称及び住所並びにその役員の氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ヘ 差押債権者(その者が法人である場合にあつては、その役員)及び自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等(法第65条の2第1号に規定する暴力団員等をいう。以下この目において同じ。)に該当しないこと。
二 差押債権者が個人であるときは、その住民票の写しその他のその氏名、住所、生年月日及び性別を証するに足りる文書
三 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が個人であるときは、その住民票の写しその他のその氏名、住所、生年月日及び性別を証するに足りる文書
2 差押債権者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める文書の写しを執行裁判所に提出するものとする。
一 差押債権者が第51条の7第3項に規定する指定許認可等を受けて事業を行つている者である場合 その者が当該指定許認可等を受けていることを証する文書
二 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者が第51条の7第
3項に規定する指定許認可等を受けて事業を行つている者である場合 その者が当該指定許
認可等を受けていることを証する文書
(民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html
甲
「剰余を生ずる見込みのない場合等だね」
乙
「民事執行法63条2項1号の、差押債権者の買受け申出、いわゆる無剰余回避措置だね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
第63条 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、
その旨を差押債権者(略)に通知しなければならない。
一 差押債権者の債権に優先する債権(略)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(略)の見込額を超えないとき。
二 優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。
2 差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から1週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(略)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第2号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(略)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
一 差押債権者が不動産の買受人になることができる場合 申出額に達する買受けの申出がないときは、自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出及び申出額に相当する保証の提供
甲
「1項1号ヘで、暴力団員等に該当しないことが必要なんだね」
乙
「民事執行法65条の2だね」
(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)
第65条の2 不動産の買受けの申出は、
次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(略)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。
一 買受けの申出をしようとする者(略)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(略)第2条第6号に規定する暴力団員(略)又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者(以下この目において「暴力団員等」という。)であること。
甲
「2項・51条の7第3項で、指定許認可等を受けている場合は、それを証する文書が必要なんだね」
乙
「暴力団員等に該当しないことが認可等の要件となっている場合だね」
(最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情がある場合)
第51条の7 法第68条の4第1項ただし書の最高裁判所規則で定める場合は、最高価
買受申出人が、指定許認可等を受けて事業を行つている者である場合とする。
2 法第68条の4第2項ただし書の最高裁判所規則で定める場合は、自己の計算において
最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が、指定許認可等を受けて事業を行つている者で
ある場合とする。
3 前2項の「指定許認可等」とは、許認可等(略)であつて、当該許認可等を受けようとする者(略)が暴力団員等に該当しないことが法令
(略)において当該許認可等の要件とされているもののうち最高裁判所が
指定するものをいう。
甲
「51条の7は、民事執行法68条の4第1項ただし書の『最高裁判所規則で定める場合』だね」
乙
「『暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるもの』だね」
(調査の嘱託)
第68条の4 執行裁判所は、最高価買受申出人(略)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
(条解民事執行規則(第四版)上〔第1条~第98条の2〕p190-7)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p459-61)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/
(条解民事執行法p602-20)
https://www.koubundou.co.jp/book/b480807.html