2020年6月6日土曜日

印紙税7 印紙税法6条(納税地)


(納税地)
第6条 印紙税の納税地は、次の各号に掲げる課税文書の区分に応じ、当該各号に掲げる場所とする。
一 第11条第1項又は第12条第1項の承認に係る課税文書 これらの承認をした税務署長の所属する税務署の管轄区域内の場所
二 第9条第1項の請求に係る課税文書 当該請求を受けた税務署長の所属する税務署の管轄区域内の場所
三 第10条第1項に規定する印紙税納付計器により、印紙税に相当する金額を表示して同項に規定する納付印を押す課税文書 当該印紙税納付計器の設置場所
四 前3号に掲げる課税文書以外の課税文書で、当該課税文書にその作成場所が明らかにされているもの 当該作成場所
五 第1号から第3号までに掲げる課税文書以外の課税文書で、当該課税文書にその作成場所が明らかにされていないもの 政令で定める場所


「納税地だね」

「1号は、税務署長の承認を受ける申告納付だね」

「2号は、税務署長に請求して税印で納付する場合だね」

「3号は、印紙税納付計器で納付する場合だね」

「4号が、印紙を貼り付ける場合だね」

「8条だね」
「作成場所が納税地になるんだね」

「作成は通達44条だね」

「通達49条によるとあくまで作成が基準で、文書に基づく権利行使・文書の保存とは別だね」

「4号の『作成場所が明らか』というのは?」

「通達50条によると、税務署の管轄区がわかる程度だね」

「5号は、作成場所が明らかでない場合だね」

「政令つまり印紙税法施行令4条だね」

「1項1号が事務所等の所在地、所在地の記載がない場合は2号で作成者住所・居所だね」

「所在地の記載があるといえるかは、通達51条にあるね」

「2項は共同作成の場合だね」

「1号が作成者作成の場合で、作成者が所持している場所だね」

「2号は作成者が所持していない場合で、『課税文書に最も先に記載されている者』の事務所等所在地、住所・居所だね」

「記載例は、通達52条にあるね」

(書式表示による申告及び納付の特例)
第11条 課税文書の作成者は、課税文書のうち、その様式又は形式が同一であり、かつ、その作成の事実が後日においても明らかにされているもので次の各号の1に該当するものを作成しようとする場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受け、相当印紙のはり付けに代えて、金銭をもつて当該課税文書に係る印紙税を納付することができる。
一 毎月継続して作成されることとされているもの
二 特定の日に多量に作成されることとされているもの
2 略
(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)
第12条 別表第1第18号及び第19号の課税文書のうち政令で定める通帳(以下この条において「預貯金通帳等」という。)の作成者は、政令で定めるところにより、当該預貯金通帳等を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受け、相当印紙のはり付けに代えて、金銭をもつて、当該承認の日以後最初に到来する4月1日から翌年3月31日までの期間内に作成する当該預貯金通帳等に係る印紙税を納付することができる。
2 略

(税印による納付の特例)
第9条 課税文書の作成者は、政令で定める手続により、財務省令で定める税務署の税務署長に対し、当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、税印(財務省令で定める印影の形式を有する印をいう。次項において同じ。)を押すことを請求することができる。
2 略
(印紙税納付計器の使用による納付の特例)
第10条 課税文書の作成者は、政令で定めるところにより、印紙税納付計器(略)を、その設置しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けて設置した場合には、当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、当該印紙税納付計器により、当該課税文書に課されるべき印紙税額に相当する金額を表示して納付印を押すことができる。
2 略

(印紙による納付等)
第8条 課税文書の作成者は、次条から第12条までの規定の適用を受ける場合を除き、当該課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額の印紙(以下「相当印紙」という。)を、当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければならない。
2 課税文書の作成者は、前項の規定により当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。


・印紙税法施行令
(納税地)
第4条 法第6条第5号に掲げる政令で定める場所は、同号の課税文書の次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる場所とする。
一 その作成者の事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地が記載されている課税文書 当該所在地
二 その他の課税文書 当該課税文書の作成の時における作成者の住所(住所がない場合には、居所。以下同じ。)
2 2以上の者が共同して作成した課税文書に係る法第6条第5号に掲げる政令で定める場所は、前項の規定にかかわらず、当該課税文書の次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる場所とする。
一 その作成者が所持している課税文書 当該所持している場所
二 その作成者以外の者が所持している課税文書 当該作成者のうち当該課税文書に最も先に記載されている者のみが当該課税文書を作成したものとした場合の前項各号に掲げる場所

・民法
【第4節 住所】
(住所)
第22条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。
(居所)
第23条 住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。
2 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。

・印紙税法基本通達
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi01/07.htm
(作成等の意義)
第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。  
2 課税文書の「作成の時」とは、次の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによる。
(1) 相手方に交付する目的で作成される課税文書 当該交付の時
(2) 契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成される課税文書 当該証明の時
(3) 一定事項の付け込み証明をすることを目的として作成される課税文書 当該最初の付け込みの時
(4) 認証を受けることにより効力が生ずることとなる課税文書 当該認証の時
(5) 第5号文書のうち新設分割計画書 本店に備え置く時
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi01/08.htm
(作成場所が法施行地外となっている場合)
第49条 文書の作成場所が法施行地外である場合の当該文書については、たとえ当該文書に基づく権利の行使又は当該文書の保存が法施行地内で行われるものであっても、法は適用されない。ただし、その文書に法施行地外の作成場所が記載されていても、現実に法施行地内で作成されたものについては、法が適用されるのであるから留意する。
(課税文書にその作成場所が明らかにされているものの意義)
第50条 法第6条《納税地》第4号に規定する「課税文書にその作成場所が明らかにされているもの」とは、課税文書の作成地として、いずれの税務署の管轄区域内であるかが判明しうる程度の場所の記載があるものをいう。
 例えば、「作成地 東京都千代田区霞が関」と記載されているもの又は「本店にて作成」として「本店所在地 東京都千代田区霞が関」と記載されているものは、作成場所が明らかなものに該当するが、「作成地 東京都」と記載されたもの又は「本店にて作成」として「本店所在地 東京都」と記載されたものは、これに該当しない。
(その作成者の事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地が記載されている課税文書の意義)
第51条 令第4条《納税地》第1項第1号に規定する「その作成者の事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地が記載されている課税文書」とは、課税文書に作成者の本店、支店、工場、出張所、連絡所等の名称が記載された上、いずれの税務署の管轄区域内であるかが判明しうる程度の所在地の記載があるものをいう。
  例えば、「東京都千代田区霞が関 大蔵工業株式会社」と記載されているもの又は「大阪市東区大手前之町 大蔵工業株式会社大阪支店」と記載されているものは、所在地が記載されているものに該当するが、「東京都 大蔵工業株式会社」と記載されたもの又は「大阪市 大蔵工業株式会社大阪支店」と記載されたものは、これに該当しない。
2 課税文書にその作成者の事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地が2以上記載されている場合(例えば、本店と支店の所在地が記載されている場合)において、そのいずれかの所在地を作成場所として推定することができるときは当該所在地を、推定することができないときは主たるもの(例えば本店)の所在地を、それぞれ当該課税文書の納税地とする。
(作成者のうち当該課税文書に最も先に記載されている者の意義)
第52条 令第4条《納税地》第2項第2号に規定する「作成者のうち当該課税文書に最も先に記載されている者」とは、例えば、課税文書の最後尾に「甲○○○○、乙○○○ 」又は
「     甲○○○○
乙○○○○     」     と記載されている場合の「甲○○○○」をいう。
ただし、「甲○○○○」が国、地方公共団体若しくは非課税法人の表に掲げる者(以下「国等」という。)又は当該課税文書が非課税文書の表の上欄に掲げるものである場合の同表の下欄に掲げる者に該当するときは、「乙○○○○」をいうものとする。

(パンフレット・手引印紙税関係)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/01.htm#a-07
(税大講本 間接税法p72-3)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/index.htm
(法的思考が身に付く 実務に役立つ 印紙税の考え方と実践p166-8)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/50972
(迷ったときに開く 実務に活かす 印紙税の実践と応用p80-4)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100032
(税務調査官の視点からつかむ 印紙税の実務と対策~顧問先に喜ばれる一歩踏み込んだアドバイス~p72-3)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/103326.html