弁護士が法改正等を読み、主に対話形式で説明を試みます。 司法試験で行っていた勉強法、いわゆるセルフレクチャー※を文字起こししたイメージです。 ※自分で自分に説明して理解や記憶を目指す、「夢をかなえる勉強法」(伊藤真著)等参照。 ※本文の法令・リンク先の情報は投稿時のものです。
2020年6月10日水曜日
印紙税11 印紙税法10条(印紙税納付計器の使用による納付の特例)
(印紙税納付計器の使用による納付の特例)
第10条 課税文書の作成者は、政令で定めるところにより、印紙税納付計器(印紙税の保全上支障がないことにつき、政令で定めるところにより、国税庁長官の指定を受けた計器(第16条及び第18条第2項において「指定計器」という。)で、財務省令で定める形式の印影を生ずべき印(以下「納付印」という。)を付したものをいう。以下同じ。)を、その設置しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けて設置した場合には、当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、当該印紙税納付計器により、当該課税文書に課されるべき印紙税額に相当する金額を表示して納付印を押すことができる。
2 前項の承認を受けて印紙税納付計器を設置する者は、政令で定めるところにより、同項の税務署長の承認を受けて、その者が交付を受ける課税文書の作成者のために、その交付を受ける際、当該作成者が当該課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、当該印紙税納付計器により、当該課税文書に課されるべき印紙税額に相当する金額を表示して納付印を押すことができる。
3 第1項の承認を受けた者は、前2項の規定により印紙税納付計器を使用する前に、政令で定めるところにより、第1項の税務署長に対し、当該印紙税納付計器により表示することができる印紙税額に相当する金額の総額を限度として当該印紙税納付計器を使用するため必要な措置を講ずることを請求しなければならない。
4 前項の請求をした者は、同項の表示することができる金額の総額に相当する印紙税を、同項の措置を受ける時までに、国に納付しなければならない。
5 第1項の承認を受けた者が印紙税に係る法令の規定に違反した場合その他印紙税の取締り上不適当と認められる場合には、税務署長は、その承認を取り消すことができる。
6 税務署長は、印紙税の保全上必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、印紙税納付計器に封を施すことができる。
7 第1項又は第2項の規定により印紙税に相当する金額を表示して納付印を押す方法について必要な事項は、財務省令で定める。
甲
「印紙税納付計器で納めるんだね」
乙
「計器は国税庁長官の指定を受けるんだね」
甲
「指定の手続は政令(印紙税法施行令)7条だね」
乙
「指定した場合は告示するんだね」
甲
「告示は国税庁HPに載っているね」
乙
「計器のイラストもあるね」
甲
「1項の計器設置には、税務署長の承認を受けるんだね」
乙
「手続は政令8条1項2項だね」
甲
「2項は、交付される文書にも計器を使いたい場合だね」
乙
「1項とは別に税務署長の承認が必要なんだね」
甲
「手続は政令8条3項だね」
乙
「1項(政令8条1項)と違って『申請の理由』を5号で要件としているね」
甲
「3項は、必要な措置の請求だね」
乙
「手続は政令8条4項だね」
甲
「4項は、3項の措置までの間における納付だね」
乙
「前払いなんだね」
甲
「5項は取消しだね」
乙
「手続は政令8条6項だね」
甲
「取消しの実体要件は、法令違反、取締り上不適当の場合とかだね」
乙
「通達77条に、解釈例を挙げているね」
甲
「6項は、封だね」
乙
「政令8条5項で、金額や回数を変更できなくするんだね」
甲
「7項の押印方法は、財務省令(印紙税法施行規則)3条だね」
乙
「納付印は、財務省令3条1項で別表第4とされるね」甲
「財務省令3条2項で、赤色のインキを使用するのを定めているね」
・印紙税法施行令
第7条 法第10条第1項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国税庁長官に提出しなければならない。
一 申請者の住所及び氏名又は名称並びに法人にあつては、法人番号
二 当該指定を受けようとする計器の製造者の住所及び氏名又は名称
三 当該計器の名称、型式、構造、機能及び操作の方法
四 その他参考となるべき事項
2 前項の申請書を提出した者は、当該指定を受けようとする計器を国税庁長官に提示しなければならない。
3 法第10条第1項の指定は、当該指定をしようとする計器の名称、型式、構造及び機能を告示することにより行うものとする。
4 国税庁長官は、法第10条第1項の指定をした場合には、その旨を第1項の申請者に通知するものとする。
(印紙税納付計器の設置の承認の申請等)
第8条 法第10条第1項の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を当該税務署長に提出しなければならない。
一 申請者の住所、氏名又は名称及び個人番号又は法人番号(個人番号を有しない個人にあつては、住所及び氏名)
二 当該印紙税納付計器を設置しようとする場所
三 当該印紙税納付計器に係る指定計器の名称、型式及び計器番号
四 当該印紙税納付計器を設置しようとする年月日
五 その他参考となるべき事項
2 税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合には、同項の申請者が法第10条第5項の規定により当該承認を取り消された日から2年を経過するまでの者であるときその他印紙税の保全上不適当と認められるときを除き、その承認を与えるものとする。
3 法第10条第2項の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を当該税務署長に提出しなければならない。
一 申請者の住所及び氏名又は名称並びに法人にあつては、法人番号
二 当該印紙税納付計器を設置する場所
三 当該印紙税納付計器に係る指定計器の名称、型式及び計器番号
四 当該印紙税納付計器により申請者が交付を受ける課税文書に納付印を押そうとする最初の日
五 申請の理由
六 その他参考となるべき事項
4 法第10条第3項の請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を当該税務署長に提出するとともに、印紙税納付計器その他同項の措置を受けるため必要な物件を提示しなければならない。
一 請求者の住所、氏名又は名称及び個人番号又は法人番号(個人番号を有しない個人にあつては、住所及び氏名)
二 当該印紙税納付計器の設置場所
三 当該印紙税納付計器に係る指定計器の名称、型式及び計器番号
四 当該印紙税納付計器により表示しようとする印紙税に相当する金額の総額
五 その他参考となるべき事項
5 税務署長は、法第10条第6項の規定により印紙税納付計器に封を施す場合には、当該封を破らなければ同条第3項の措置を講じた金額の総額又は当該印紙税納付計器により表示した印紙税に相当する金額の累計額若しくは納付印を押した回数を変更することができない箇所に行うものとする。
6 税務署長は、法第10条第5項の規定により同条第1項の承認を取り消す場合には、その旨及びその理由を記載した書類を当該承認を取り消される者に交付するものとする。この場合には、税務署長は、当該取消しに係る印紙税納付計器につき同条第6項の封の解除その他必要な措置を講ずるものとする。
・印紙税法施行規則
(納付印の印影の形式等)
第3条 法第10条第1項に規定する財務省令で定める印影の形式は、別表第4のとおりとする。
2 法第10条第1項に規定する印紙税納付計器により、印紙税に相当する金額を表示して納付印を押す場合には、赤色のインキを使用しなければならない。
・印紙税法基本通達
第3節 印紙税納付計器の使用による納付の特例
(納付方法の併用禁止)
第69条 法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》の規定による納付の特例は、課税文書に相当印紙をはり付けることに代えて、相当金額を表示して納付印を押すのであるから、税印を押した課税文書等他の納付方法により納付したものについては、相当金額を表示して納付印を押すことができない(他の納付方法により納付した印紙税について過誤納の処理をしたものはこの限りでない。)ことに留意する。ただし、一の課税文書に納付印を2以上押すこと、及び納付印を押すことと印紙のはり付けとを併用することは差し支えないものとして取り扱う。
(印紙税納付計器設置の不承認)
第70条 次に掲げる場合には、原則として、法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第1項の規定による承認は与えない。
(1) 承認を受けようとする者が過去2年以内において同条第5項の規定により承認を取り消された者である場合
(2) 承認を受けようとする者が過去2年以内において法に違反して告発された者である場合
(3) その他印紙税の保全上不適当と認められる場合
(印紙税納付計器設置承認に付す条件)
第71条 法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第1項の規定により印紙税納付計器の設置の承認を与える場合には、次に掲げる条件を付する。
(1) かぎを付することとなっている印紙税納付計器を設置したときは、その使用前に当該印紙税納付計器のかぎを承認した税務署長に預けておくこと。
(2) 印紙税納付計器に故障その他の事故が生じたときは、その旨を直ちに承認した税務署長に届け出て、その指示に従うこと。
(3) 印紙税納付計器の設置を廃止したとき、又は納付印を取り替えたときは、承認した税務署長の指示するところにより、不要となった納付印の印面を廃棄すること。
(納付印の記号、番号)
第72条 規則第3条《納付印の印影の形式等》第1項に規定する納付印の印影の形式中の記号及び番号は、印紙税納付計器を設置しようとする場所の所在地の所轄税務署長が指定するところによる。
(印紙税納付計器により納付印を押すことができる課税文書の範囲)
第73条 法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第1項の規定は、同項の規定により印紙税納付計器の設置の承認を受けた者が作成する課税文書(当該印紙税納付計器の設置の承認を受けた者とその他の者とが共同して作成するものを含む。)について適用されるのであるから留意する。
2 法第10条第2項の規定は、同条第1項の規定により印紙税納付計器の設置の承認を受けた者が、更に、同条第2項の規定による承認を受けた場合に限り、その交付を受ける課税文書について適用されるのであるから留意する。
(交付を受ける課税文書の意義)
第74条 法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第2項に規定する「交付を受ける課税文書」とは、印紙税納付計器の設置者を相手方として交付する目的で作成され、当該交付の時において納税義務の成立する課税文書をいう。したがって、当該設置者以外の者に対して交付する目的で作成された課税文書には納付印を押すことはできないのであるから留意する。
(交付を受ける課税文書に納付印を押す場合の納税義務者)
第75条 法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第2項の規定は、印紙税納付計器の設置者が交付を受ける課税文書について、当該納付計器を使用して印紙税を納付することができることとしたものであり、当該課税文書の納税義務者は、当該文書の作成者であるから留意する。したがって、当該文書について印紙税の不納付があった場合には、当該作成者から過怠税を徴収することとなる。
(印紙税納付計器その他同項の措置を受けるため必要な物件)
第76条 令第8条《印紙税納付計器の設置の承認の申請等》第4項に規定する「印紙税納付計器その他同項の措置を受けるため必要な物件」は、始動票札を使用しない印紙税納付計器にあっては当該印紙税納付計器、始動票札を使用する印紙税納付計器にあっては当該印紙税納付計器及び始動票札とする。ただし、始動票札を使用する印紙税納付計器について同項の規定による請求書を提出することが2回目以降である場合は、当該始動票札のみとする。
(印紙税納付計器の設置の承認の取消し)
第77条 次に掲げる場合には、法第10条《印紙税納付計器の使用による納付の特例》第5項の規定により印紙税納付計器の設置の承認を取り消す。
(1) 承認を受けた者が法に違反して告発された場合
(2) 偽りその他不正の行為により印紙税納付計器の設置の承認を受けた場合
(3) 承認を受けた者が承認の条件に違反した場合
(4) その他印紙税の取締り上不適当と認められる場合
(告示 印紙税法施行令の規定に基づき計器を指定する件)
https://www.nta.go.jp/law/kokuji/081006/01.htm
(国税庁HP 印紙税納付計器設置承認・被交付文書納付印押なつ請求手続)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/inshi/annai/23120075.htm
(パンフレット・手引印紙税関係)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/01.htm#a-07
(税大講本 間接税法p50,72)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/index.htm
(税務調査官の視点からつかむ 印紙税の実務と対策~顧問先に喜ばれる一歩踏み込んだアドバイス~p69)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/103326.html