2020年6月16日火曜日

印紙税13 印紙税法12条(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)

(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)
第12条 別表第1第18号及び第19号の課税文書のうち政令で定める通帳(以下この条において「預貯金通帳等」という。)の作成者は、政令で定めるところにより、当該預貯金通帳等を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受け、相当印紙のはり付けに代えて、金銭をもつて、当該承認の日以後最初に到来する4月1日から翌年3月31日までの期間内に作成する当該預貯金通帳等に係る印紙税を納付することができる。
2 前項の承認の申請者が第15条の規定により命ぜられた担保の提供をしない場合その他印紙税の保全上不適当と認められる場合には、税務署長は、その承認を与えないことができる。
3 第1項の承認を受けた者は、当該承認に係る預貯金通帳等に、同項の期間内において最初の付込みをする時までに、財務省令で定める書式による表示をしなければならない。
4 第1項の承認を受けた場合には、当該承認を受けた者が同項の期間内に作成する当該預貯金通帳等は、当該期間の開始の時に作成するものとみなし、当該期間内に作成する当該預貯金通帳等の数量は、当該期間の開始の時における当該預貯金通帳等の種類ごとの当該預貯金通帳等に係る口座の数として政令で定めるところにより計算した数に相当する数量とみなす。
5 第1項の承認を受けた者は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、同項に規定する期間の開始の日から起算して1月以内に、その承認をした税務署長に提出しなければならない。
一 当該承認に係る預貯金通帳等の課税文書の号別及び当該預貯金通帳等の種類並びに当該種類ごとの前項に規定する政令で定めるところにより計算した当該預貯金通帳等に係る口座の数に相当する当該預貯金通帳等の数量及び当該数量を当該号別に合計した数量(次号において「課税標準数量」という。)
二 課税標準数量に対する印紙税額及び当該印紙税額の合計額(次項において「納付すべき税額」という。)
三 その他参考となるべき事項
6 前項の規定による申告書を提出した者は、当該申告書の提出期限までに、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する印紙税を国に納付しなければならない。
7 第1項の承認を受けた者が、当該承認を受けた日の属する年の前年においても同項の承認を受けており、かつ、当該承認に係る預貯金通帳等に既に第3項の表示をしている場合には、当該預貯金通帳等については、再び当該表示をすることを要しないものとする。



「通帳等の特例だね」

「国税庁HPによると、一括納付というらしいね」
(国税庁HP 印紙税一括納付承認申請手続)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/inshi/annai/23120063.htm


 
「1項で、税務署長の承認が必要だね」

「『金銭をもつて』納付できるようになるんだね」


「2項は承認を与えない場合だね」

「保全上不適当で、具体例は通達92条だね」


「3項は、承認された場合の書式表示義務だね」

「11条3項と同じだね」
「財務省令、つまり印紙税法施行規則4条、別表第5だね」


「4項は、作成の時期と数量のみなし規定だね」

「政令(印紙税法施行令)12条2項だね」
「数量については、口座と通帳の数え方があるね」

「通達103条にも説明があるね」

「統括管理の例もあるね」


「5項は、申告書の提出だね」

「政令12条4項だね」
(国税庁HP 印紙税納税申告(一括納付)手続)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/inshi/annai/23120085.htm

 
「6項は、申告書提出後の納付だね」

「金銭での納付だね」

「7項は、承認を受けるたびにその都度書式表示しないといけないわけではない、という規定だね」

「前年に承認を受けている場合だね」
「もっとも、平成30年4月1日以降作成分の承認申請は、変更がなければ再度の承認申請はしなくていいらしいね」
(国税庁HP 印紙税一括納付承認申請手続の改正について)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/0018003-093-02.pdf
 

「通帳を見ると、たしかに表示しているね」


「銀行はそうだね」

「通帳でも、金融機関の種類によるの?」

「信用金庫の通帳は非課税だね」



【別表第1】
十八 預貯金通帳、信託行為に関する通帳、銀行若しくは無尽会社の作成する掛金通帳生命保険会社の作成する保険料通帳又は生命共済の掛金通帳
(非課税物件欄)1 信用金庫その他政令で定める金融機関の作成する預貯金通帳
十九 第1号、第2号、第14号又は第17号に掲げる文書により証されるべき事項を付け込んで証明する目的をもつて作成する通帳(前号に掲げる通帳を除く。)
【第4章 雑則】
(保全担保)
第15条 国税庁長官、国税局長又は税務署長は、印紙税の保全のために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第11条第1項又は第12条第1項の承認の申請者に対し、金額及び期間を指定して、印紙税につき担保の提供を命ずることができる。
2 国税庁長官、国税局長又は税務署長は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。

(課税文書の作成とみなす場合等)
第4条 略
2 別表第1第18号から第20号までの課税文書を1年以上にわたり継続して使用する場合には、当該課税文書を作成した日から1年を経過した日以後最初の付込みをした時に、当該課税文書を新たに作成したものとみなす。
(非課税文書)
第5条 別表第1の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。
一 別表第1の非課税物件の欄に掲げる文書
二 略

・印紙税法施行令
(書式表示をすることができる預貯金通帳等の範囲)
第11条 法第12条第1項に規定する政令で定める通帳は、次に掲げる通帳とする。
一 普通預金通帳
二 通知預金通帳
三 定期預金通帳(第7号に該当するものを除く。)
四 当座預金通帳
五 貯蓄預金通帳
六 勤務先預金通帳(労働基準法(昭和22年法律第49号)第18条第4項(預金の利子)又は船員法(昭和22年法律第100号)第34条第3項(預金の利子)に規定する預金の受入れに関し作成するものに限る。)
七 複合預金通帳(法別表第1第18号に掲げる預貯金通帳のうち、性格の異なる2以上の預貯金に関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもつて作成する通帳をいう。)
八 複合寄託通帳(法別表第1第19号に掲げる通帳のうち、預貯金に関する事項及び有価証券の寄託に関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもつて作成する通帳をいう。)
(預貯金通帳等に係る申告及び納付の承認の申請等)
第12条 法第12条第1項の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を、その年の2月16日から3月15日までの期間内に、当該税務署長に提出しなければならない。
一 申請者の住所、氏名又は名称及び個人番号又は法人番号(個人番号を有しない個人にあつては、住所及び氏名)
二 当該承認を受けようとする預貯金通帳等の前条各号の区分
三 その他参考となるべき事項
2 法第12条第4項に規定する口座の数として政令で定めるところにより計算した数は、当該期間の開始の時における当該預貯金通帳等の種類ごとの当該預貯金通帳等に係る口座(統括して管理されている1の預貯金通帳等に係る2以上の口座については、これらの口座を1の口座とし、一括して整理するために設けられている2以上の預貯金通帳等に係る口座については、当該口座を構成する各別の口座とする。以下この条及び第18条第2項において同じ。)の数から、睡眠口座の数及び法別表第1第18号の非課税物件の欄2に規定する通帳に係る口座(第18条第2項において「非課税預貯金通帳に係る口座」という。)の数を控除して計算した数とする。
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3 前項に規定する睡眠口座とは、当該預貯金通帳等に係る口座につきその残高(有価証券の寄託に係る口座については、当該寄託がされている有価証券の券面金額の合計額とする。)が1000円に満たないもので、当該口座における最後の取引の日から3年を経過したものをいう。
4 法第12条第5項の規定による申告書には、同項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 申告者の住所、氏名又は名称及び個人番号又は法人番号(個人番号を有しない個人にあつては、住所及び氏名)
二 当該申告に係る課税文書の作成場所
5 第10条第4項から第7項までの規定は、法第12条第5項の規定による申告書を提出する義務がある者が当該申告書の提出期限前に当該申告書を提出しないで死亡した場合について準用する。

(書式表示による申告及び納付の承認の申請等)
第10条 略
4 法第11条第4項の規定による申告書を提出する義務がある者が当該申告書の提出期限前に当該申告書を提出しないで死亡した場合において、法第19条の規定によりその者の申告義務を承継した相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)が提出する当該申告書には、次に掲げる事項を併せて記載しなければならない。
一 各相続人の住所、氏名、個人番号、被相続人(包括遺贈者を含む。以下この号において同じ。)との続柄、民法(明治29年法律第89号)第900条から第902条まで(法定相続分・代襲相続人の相続分・遺言による相続分の指定)の規定による相続分及び相続(包括遺贈を含む。以下この号において同じ。)によつて得た財産の価額(個人番号を有しない者にあつては、住所、氏名、被相続人との続柄、同法第900条から第902条までの規定による相続分及び相続によつて得た財産の価額)
二 相続人が限定承認をした場合には、その旨
三 相続人が2人以上ある場合には、当該申告書の提出により納付すべき税額を第1号に規定する各相続人の相続分により按分して計算した額に相当する印紙税額
5 相続人が2人以上ある場合には、前項の申告書は、各相続人が連署して提出するものとする。ただし、当該申告書は、各相続人が各別に提出することを妨げない。
6 前項ただし書に規定する方法により第4項の申告書を提出する場合には、当該申告書には、同項第1号に掲げる事項のうち他の相続人の個人番号は、記載することを要しない。
7 第5項ただし書に規定する方法により第4項の申告書を提出した相続人は、直ちに、他の相続人に対し、当該申告書に記載した事項の要領を通知するものとする。

・印紙税法施行規則
(書式表示等の書式)
第4条 法第11条第3項及び第12条第3項に規定する財務省令で定める書式は、別表第5のとおりとする。

・印紙税法基本通達
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi03/05.htm
第5節 預貯金通帳等に係る申告及び納付の特例
(一括納付の不承認)
第92条 次に掲げる場合には、原則として、法第12条《預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例》第1項の規定による承認は与えない。
(1) 申請者が法第15条《保全担保》の規定により命ぜられた担保の提供をしない場合
(2) 申請に係る預貯金通帳等の種類ごとの当該預貯金通帳等に係る口座の数が明らかでない場合
(3) 申請者が過去1年以内において、法第12条第1項の規定による承認を取り消された者である場合
(4) 申請者が過去1年以内において法に違反して告発された者である場合
(5) その他印紙税の保全上不適当と認められる場合
(預貯金通帳等の範囲)
第95条 令第11条《書式表示をすることができる預貯金通帳等の範囲》第1号に規定する「普通預金通帳」には、現金自動預金機専用通帳を含むものとする。
2 令第11条第3号に規定する「定期預金通帳」には、積立定期預金通帳を含むものとする。
3 令第11条第4号に規定する「当座預金通帳」には、当座預金への入金の事実のみを付け込んで証明する目的をもって作成する、いわゆる当座勘定入金帳(付け込み時に当座預金勘定への入金となる旨が明らかにされている集金用の当座勘定入金帳を含む。)を含むものとする。
4 令第11条第7号に規定する「複合預金通帳」とは、性格の異なる二以上の預貯金に関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもって作成する通帳をいい、現実に二以上の預貯金に関する事項が付け込まれているかどうかは問わない。したがって、普通預金及び定期預金に関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもって作成される、いわゆる総合口座通帳は、普通預金に関する事項のみが付け込まれている場合であっても、複合預金通帳に該当する 。
5 令第11条第8号に規定する「複合寄託通帳」とは、預貯金に関する事項及び有価証券の寄託に関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもって作成する通帳をいい、具体的には、信託銀行において、普通預金に関する事項及び貸付信託の受益証券の保護預りに関する事項を併せて付け込んで証明する目的をもって作成する、いわゆる信託総合口座通帳等がこれに該当する。
  なお、信託総合口座通帳等は、普通預金に関する事項のみが付け込まれている場合であっても、前項の複合預金通帳の場合と同様、複合寄託通帳に該当する。
(注)法第12条《預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例》第1項の規定による承認は、令第11条に掲げる預貯金通帳等の区分ごとに行う。したがって、例えば、普通預金通帳又は定期預金通帳についてのみ法第12条第1項の規定による承認を受け、複合預金通帳又は複合寄託通帳については、法第8条《印紙による納付等》第1項の規定による相当印紙のはり付けによる納付方法によることとしても差し支えない。
  しかし、同一区分の預貯金通帳等のうち一部(例えば、普通定期預金通帳と積立定期預金通帳がある場合の積立定期預金通帳)だけについて、法第12条第1項の規定による承認を受けることはできないのであるから留意する。
(預貯金通帳等に係る口座の数)
第103条 法第12条《預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例》第4項に規定する預貯金通帳等に係る口座の数の計算に当たっては、次の点に留意すること。
(1) 法第12条第4項に規定する預貯金通帳等に係る口座の数の計算の基礎となる口座の数は、当該預貯金通帳等に係る口座の数によるのであるから、当該預貯金通帳等の預貯金と同一種類の預貯金に係る口座であっても、預貯金契約により預貯金通帳を発行しないこととされている、いわゆる無通帳預金に係る口座の数はこれに含まれない。
  なお、現金自動預金機専用通帳と普通預金通帳又は総合口座通帳とを併用する場合は、それぞれの口座の数がこれに含まれるのであるから留意する。
(2) 令第12条《預貯金通帳等に係る申告及び納付の承認の申請等》第2項に規定する「統括して管理されている一の預貯金通帳等に係る二以上の口座」とは、例えば、一の総合口座通帳について、当該総合口座通帳に併せて付け込まれる普通預金及び 定期預金の受払いに関する事項を各別の口座で管理している場合に、これらの各別の口座を統合する口座により統括して管理しているとき又は口座番号、顧客番号等により結合して管理しているときにおける、当該各別の口座をいう。
 具体的には、次のような管理がされている一の預貯金通帳等に係る当該各別の口座がこれに該当する。

(国税庁HP 質疑応答事例 預貯金通帳に係る納付の特例)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/06/14.htm
(国税庁HP 質疑応答事例 複合預金通帳及び複合寄託通帳に係る口座の数の計算)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/06/17.htm
 

(パンフレット・手引印紙税関係)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/01.htm#a-07
(税大講本 間接税法p50,73)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/index.htm
(税務調査官の視点からつかむ 印紙税の実務と対策~顧問先に喜ばれる一歩踏み込んだアドバイス~p70)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/103326.html