第145条 執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
2 差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。
3 差押命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。
4 裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、債務者に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第153条第1項又は第2項の規定による当該差押命令の取消しの申立てをすることができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない。
5 差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。
6 差押命令の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
7 執行裁判所は、債務者に対する差押命令の送達をすることができない場合には、差押債権者に対し、相当の期間を定め、その期間内に債務者の住所、居所その他差押命令の送達をすべき場所の申出(第20条において準用する民事訴訟法第110条第1項各号に掲げる場合にあつては、公示送達の申立て。次項において同じ。)をすべきことを命ずることができる。
8 執行裁判所は、前項の申出を命じた場合において、差押債権者が同項の申出をしないときは、差押命令を取り消すことができる。
(e-Gove法令検索)
(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※)
http://www.moj.go.jp/content/001293954.pdf
(裁判所:民事第21部(民事執行センター・インフォメーション21))
http://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section21/saiken/index.html
甲
「債権執行としての差押命令だね」
乙
「4項・7項・8項を加えるんだね」
甲
「4項は教示だね」
乙
「債務者が差押えの範囲変更を申立てられるように教えるんだね」
「書式とかの案内は、改正施行前の今も裁判所HPにあるね」
甲
「7・8項は、債務者に送達できない場合の規定だね」
乙
「7項で、相当期間内に送達場所の申出をするよう差押債権者に命じるんだね」
甲
「申出をしないときは?」
乙
「8項で、差押命令を取り消せるね」
(差押禁止債権)
第152条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前2項の規定の適用については、前2項中「4分の3」とあるのは、「2分の1」とする。
(差押禁止債権の範囲の変更)
第153条 執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。
2 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定により差押命令が取り消された債権を差し押さえ、又は同項の規定による差押命令の全部若しくは一部を取り消すことができる。
3 前2項の申立てがあつたときは、執行裁判所は、その裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせ、又は立てさせないで、第3債務者に対し、支払その他の給付の禁止を命ずることができる。
4 第1項又は第2項の規定による差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
5 第3項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
(債務者に対する教示の方式等)
第133条の2 法第145条第4項の規定による教示は、書面でしなければならない。
2 法第145条第4項の最高裁判所規則で定める事項は、法第153条第1項又は第2項の規定による差押命令の取消しの申立てに係る手続の内容とする。
(民事執行規則新旧対照)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html
(裁判所:差押範囲変更(減縮)の申立てについて)
hhttp://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section21/saikenkanka/index.html
(法務省)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html
(条解民事執行法p1255-69)
https://www.koubundou.co.jp/book/b480807.html
((家庭の法と裁判号外)改正民事執行法における新たな運用と実務p41-54)
https://www.kajo.co.jp/book/40809000001.html
※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。