2020年2月6日木曜日

契約書24 (連帯保証人)賃貸住宅標準契約書17条

(連帯保証人)
第17条 連帯保証人(以下「丙」という。)は、乙と連帯して、本契約から生じる乙の債務を負担するものとする。本契約が更新された場合においても、同様とする。
2 前項の丙の負担は、頭書(6)及び記名押印欄に記載する極度額を限度とする。
3 丙が負担する債務の元本は、乙又は丙が死亡したときに、確定するものとする。
4 丙の請求があったときは、甲は、丙に対し、遅滞なく、賃料及び共益費等の支払状況や滞納金の額、損害賠償の額等、乙の全ての債務の額等に関する情報を提供しなければならない。

(国交省・『賃貸住宅標準契約書』について)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html?fbclid=IwAR3haqoFoHW0rnfgVWTqvJLt472RdjNtKowJY5kWSAECw5EUlBpwEgwpr-8 


「連帯保証人の規定だね」

「更新後も、特段の事情がなければ保証するのが判例※だね」

「2項は極度額だね」

「いわゆる根保証になるから、極度額を定める必要があるね」

「賃料の2年分以下にするのが多いらしいね」

「3項は元本確定事由だね」

「民法465条の4にもあるね」

「4項は、主債務の履行状況に関する情報提供義務だね」

「民法458条の2だね」

「この17条と頭書(6)で、この契約書は賃貸借契約書であると同時に、保証契約書でもあるんだね」

「印紙税法別表第一の13号『債務の保証に関する契約書』ではあるね」
「印紙税法基本通達「別表 第1 課税物件、課税標準及び税率の取扱い」第13号文書1に
『「債務の保証」とは、主たる債務者がその債務を履行しない場合に保証人がこれを履行することを債権者に対し約することをいい、連帯保証を含む。』
とあるね」

「印紙税法別表第一13号は、かっこ書もあるね」

「(主たる債務の契約書に併記するものを除く。)とあるね」
「同通達(第13号文書3)は、
『主たる債務の契約書に併記した債務の保証に関する契約書は、当該主たる債務の契約書が課税文書に該当しない場合であっても課税文書とはならない。』
としているから、印紙税は課されないんだろうね」
(契約期間及び更新)
第2条 契約期間は、頭書(2)に記載するとおりとする。
2 甲及び乙は、協議の上、本契約を更新することができる。

・民法
(個人根保証契約の保証人の責任等)
第465条の2 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
2 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
3 第446条第2項及び第3項の規定は、個人根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。
(保証人の責任等)
第446条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
(連帯保証の場合の特則)
第454条 保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前2条の権利を有しない。
(催告の抗弁)
第452条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
(検索の抗弁)
第453条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
(個人根保証契約の元本の確定事由)
第465条の4 次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。ただし、第1号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。
一・二 略
三 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。
2 略
(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)
第458条の2 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。


 (法務省・■パンフレット(保証)【PDF】p4)
http://www.moj.go.jp/content/001254262.pdf


※最判平成9年11月13日集民第186号105頁
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=63043

(国交省・◇「賃貸住宅標準契約書 平成30年3月版・連帯保証人型」p17,30)
https://www.mlit.go.jp/common/001230366.pdf

(民法改正による連帯保証極度額、「賃料2年分以下」が7割)
https://www.re-port.net/article/news/0000061304/
(改正民法施行間近! 会員アンケート集計結果(速報) 一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会)
http://www.chinkan.jp/system/up_info/info_file1_401.pdf
(民法(全)第2版p347-9)
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641138124

(国税庁・印紙税額の一覧表(その2))
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/7141.htm