(債権者代位権に関する経過措置)
第18条 施行日前に旧法第423条第1項に規定する債務者に属する権利が生じた場合におけるその権利に係る債権者代位権については、なお従前の例による。
2 新法第423条の7の規定は、施行日前に生じた同条に規定する譲渡人が第三者に対して有する権利については、適用しない。
(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
甲
「1項は『債務者に属する権利』、つまり被代位権利の発生が施行日前かどうかだね」
乙
「改正法を適用するかどうかだけど、判例の明文化とそうでない規定があるね」
「例えば、423条の6の訴訟告知が必要かどうかは後者だね」
甲
「2項は、いわゆる転用型だね」
乙
「2項も被代位権利の発生が施行日前かどうかだね」
(債権者代位権)改正前
第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 略
(債権者代位権の要件)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。
(債務者の取立てその他の処分の権限等)
第423条の5 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。
(被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知)
第423条の6 債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。
(登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)
第423条の7 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる。この場合においては、前3条の規定を準用する。
※判例の明文化、改正の影響が乏しいとされる規定
(代位行使の範囲)
第423条の2 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。
(債権者への支払又は引渡し)
第423条の3 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。この場合において、相手方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これによって消滅する。
(相手方の抗弁)
第423条の4 債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。
(法務省)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
(我妻・有泉コンメンタール民法p800-1、808-10)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
(実務解説 改正債権法p145-55)
https://www.koubundou.co.jp/book/b307837.html
(ケース別 債権法 新・旧規定適用判断のポイントp70-3)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100092