弁護士が法改正等を読み、主に対話形式で説明を試みます。 司法試験で行っていた勉強法、いわゆるセルフレクチャー※を文字起こししたイメージです。 ※自分で自分に説明して理解や記憶を目指す、「夢をかなえる勉強法」(伊藤真著)等参照。 ※本文の法令・リンク先の情報は投稿時のものです。
2019年12月22日日曜日
経過措置等16 改正民法附則16条
第16条 施行日前に債権が生じた場合における選択債権の不能による特定については、新法第410条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(e-Gove法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089
甲
「選択債権についての経過措置だね」
乙
「債権発生が基準だね」
「附則10条1項によると、債権発生原因の法律行為も含むんだね」
甲
「410条は、選択権者に過失があって履行不能になった場合だね」
乙
「改正前410条2項に『選択権を有しない当事者』としているのと、内容はほぼ一緒だね」
甲
「『不能』の文言は、原始的不能と後発的不能を含むんだね」
乙
「原始的不能も、改正412条の2第2項『契約の成立の時に不能』で債務不履行として扱うんだね」
(時効に関する経過措置)
第10条 施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。以下同じ。)におけるその債権の消滅時効の援用については、新法第145条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(不能による選択債権の特定)
第410条 債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものであるときは、債権は、その残存するものについて存在する。
(不能による選択債権の特定)改正前
第四百十条 債権の目的である給付の中に、初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは、債権は、その残存するものについて存在する。
2 選択権を有しない当事者の過失によって給付が不能となったときは、前項の規定は、適用しない。
(履行不能)
第412条の2 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。
2 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第415条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。
(法務省)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
(我妻・有泉コンメンタール民法p737)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8092.html
(実務解説 改正債権法p93)
https://www.koubundou.co.jp/book/b307837.html