2020年3月3日火曜日

改正民事執行法17 (配当等のための移行等) 167条の11

(配当等のための移行等)
第167条の11 第167条の14第1項において準用する第156条第1項若しくは第2項又は第157条第5項の規定により供託がされた場合において、債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができないため配当を実施すべきときは、執行裁判所は、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
2 前項に規定する場合において、差押えに係る金銭債権について更に差押命令又は差押処分が発せられたときは、執行裁判所は、同項に規定する地方裁判所における債権執行の手続のほか、当該差押命令を発した執行裁判所又は当該差押処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続にも事件を移行させることができる。
3 第1項に規定する供託がされた場合において、債権者が1人であるとき、又は債権者が2人以上であつて供託金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができるときは、裁判所書記官は、供託金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
4 前項に規定する場合において、差押えに係る金銭債権について更に差押命令が発せられたときは、執行裁判所は、同項の規定にかかわらず、その所在地を管轄する地方裁判所又は当該差押命令を発した執行裁判所における債権執行の手続に事件を移行させることができる。
5 差押えに係る金銭債権について更に差押命令が発せられた場合において、当該差押命令を発した執行裁判所が第161条第7項において準用する第109条の規定又は第166条第1項第2号の規定により配当等を実施するときは、執行裁判所は、当該差押命令を発した執行裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
6 第1項、第2項、第4項又は前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
7 第84条第3項及び第4項、第88条、第91条(第1項第6号及び第7号を除く。)、第92条第1項並びに第166条第3項の規定は第3項の規定により裁判所書記官が実施する弁済金の交付の手続について、前条第3項の規定は第1項、第2項、第4項又は第5項の規定による決定について、同条第6項の規定は第1項、第2項、第4項又は第5項の規定による決定が効力を生じた場合について、それぞれ準用する。この場合において、第166条第3項中「差押命令」とあるのは、「差押処分」と読み替えるものとする。

(e-Gove法令検索) 
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/354AC0000000004_20200401_501AC0000000002/0?revIndex=5&lawId=354AC0000000004 


(参考:新旧対照条文 【PDF】法務省※) 
http://www.moj.go.jp/content/001293954.pdf 

「移行等の規定だね」

「配当や弁済金交付の場合だね」

「167条の14、161条、166条の改正に伴う改正だね」

【1項】
(第三債務者の供託)
第156条 第三債務者は、差押えに係る金銭債権(差押命令により差し押さえられた金銭債権に限る。次項において同じ。)の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができる。
2 第三債務者は、次条第1項に規定する訴えの訴状の送達を受ける時までに、差押えに係る金銭債権のうち差し押さえられていない部分を超えて発せられた差押命令、差押処分又は仮差押命令の送達を受けたときはその債権の全額に相当する金銭を、配当要求があつた旨を記載した文書の送達を受けたときは差し押さえられた部分に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託しなければならない。
(取立訴訟)
第157条 
5 強制執行又は競売において、前項に規定する判決の原告が配当等を受けるべきときは、その配当等の額に相当する金銭は、供託しなければならない。
【5項】
(譲渡命令等)
第161条 
7 第159条第2項及び第3項並びに前条の規定は譲渡命令について、第159条第7項の規定は譲渡命令に対する執行抗告について、第65条及び第68条の規定は売却命令に基づく執行官の売却について、第159条第2項の規定は管理命令について、第84条第3項及び第4項、第88条、第94条第2項、第95条第1項、第3項及び第4項、第98条から第104条まで並びに第106条から第110条までの規定は管理命令に基づく管理について、それぞれ準用する。この場合において、第84条第3項及び第4項中「代金の納付後」とあるのは、「第161条第7項において準用する第107条第1項の期間の経過後」と読み替えるものとする。
(執行裁判所による配当等の実施)
第109条 執行裁判所は、第107条第5項の規定による届出があつた場合には直ちに、第104条第1項又は前条の規定による届出があつた場合には供託の事由が消滅したときに、配当等の手続を実施しなければならない。
(配当等の実施)
第166条 執行裁判所は、第161条第7項において準用する第109条に規定する場合のほか、次に掲げる場合には、配当等を実施しなければならない。
二 売却命令による売却がされた場合
【7項】
(売却代金の配当等の実施)
第84条 
3 代金の納付後に第39条第1項第1号から第6号までに掲げる文書の提出があつた場合において、他に売却代金の配当又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)を受けるべき債権者があるときは、執行裁判所は、その債権者のために配当等を実施しなければならない。
4 代金の納付後に第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書の提出があつた場合においても、執行裁判所は、配当等を実施しなければならない。
(期限付債権の配当等)
第88条 確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。
2 前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。
(配当等の額の供託)
第91条 配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
一 停止条件付又は不確定期限付であるとき。
二 仮差押債権者の債権であるとき。
三 第39条第1項第7号又は第183条第1項第6号に掲げる文書が提出されているとき。
四 その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。
五 その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第53条第2項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。
(権利確定等に伴う配当等の実施)
第92条 前条第1項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。
(配当等の実施)
第166条 
3 差し押さえられた債権が第152条第1項各号に掲げる債権又は同条第2項に規定する債権である場合(差押債権者(数人あるときは、そのうち少なくとも1人以上)の債権に第151条の2第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権が含まれているときを除く。)には、債務者に対して差押命令が送達された日から4週間を経過するまでは、配当等を実施してはならない。
(転付命令等のための移行)
第167条の10 
3 前項の規定による決定が効力を生ずる前に、既にされた執行処分について執行異議の申立て又は執行抗告があつたときは、当該決定は、当該執行異議の申立て又は執行抗告についての裁判が確定するまでは、その効力を生じない。
6 第2項の規定による決定が効力を生じたときは、差押処分の申立て又は第1項の申立てがあつた時に第2項に規定する地方裁判所にそれぞれ差押命令の申立て又は転付命令等の申立てがあつたものとみなし、既にされた執行処分その他の行為は債権執行の手続においてされた執行処分その他の行為とみなす。

(条解民事執行法p1479-84)
https://www.koubundou.co.jp/book/b480807.html

 ※法務省のページにある「新旧対照条文」について、縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字に(号は除く)、「同上」を「同左」にしています。下線部は、「新旧対照条文」に付されているものです。