2018年10月18日木曜日

相続26 改正民法1044条

第1044条  贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にしたものについても、同様とする。
2  第904条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。
3  相続人に対する贈与についての第1項の規定の適用については、同項中「1年」とあるのは「10年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。

下線部は、法務省のページにある「新旧対照条文」に付されているものです。
 (新旧対照条文 【PDF】)
http://www.moj.go.jp/content/001253528.pdf


「2項で、904条を準用するんだね」

「特別受益の規定だね」
第904条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。
(特別受益者の相続分)※改正
第903条  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3  被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4  婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。


「削除される、現行1044条で904条を準用しているね」

「903条も準用しているね」
(代襲相続及び相続分の規定の準用)
第1044条 第887条第2項及び第3項、第900条、第901条、第903条並びに第904条の規定は、遺留分について準用する。


「3項は、1項の読み替えだね」

「こうなるね」

相続人に対する贈与は、相続開始前の10年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、10年前の日より前にしたものについても、同様とする。

(民法[相続法制]改正点と実務への影響p107-8)
http://www.skattsei.co.jp/search/064978.html