2018年10月8日月曜日

相続19 改正民法1014条

(特定財産に関する遺言の執行)
第1014条 前3条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
2  遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第899条の2第1項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。
3  前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。
4  前2項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

下線部は、法務省のページにある「新旧対照条文」に付されているものです。
 (新旧対照条文 【PDF】)
http://www.moj.go.jp/content/001253528.pdf


「2項から4項が新設されるね」

「1項は改正がないね」
「『前3条』は1011条から1013条だね」
(相続財産の目録の作成)
第1011条 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
2 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。
(遺言執行者の権利義務)
第1012条  遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。
3 第644条、第645条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第1013条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2  前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3  前2項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。


「2項で『特定財産承継遺言』の定義があるね」

「2項が対抗要件の規定だね」

 (共同相続における権利の承継の対抗要件)
第899条の2 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第901条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
2 略

「3項が預貯金、4項は遺言で2項3項の適用を排除できるという規定だね」

 (民法[相続法制]改正点と実務への影響p90-2)
http://www.skattsei.co.jp/search/064978.html