2018年10月13日土曜日

相続22 改正民法1025条

第5節 遺言の撤回及び取消し
(撤回された遺言の効力)
第1025条  前3条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。


下線部は、法務省のページにある「新旧対照条文」に付されているものです。
 (新旧対照条文 【PDF】)
http://www.moj.go.jp/content/001253528.pdf


「『遺言の撤回』をさらに撤回等した場合の規定だね」

「『前3条』は1022から24条だね」

(遺言の撤回)
第1022条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第1024条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。


「ただし書に錯誤が追加されるね」

「債権法改正によって、錯誤の効果が取消しになるからだね」
 (新旧対照条文:債権法改正)
http://www.moj.go.jp/content/001242222.pdf

(錯誤)
第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第2号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第1項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。


「本条ただし書の施行は?」

「債権法改正の時と同じだね」
附則1条
三 第1条中民法第998条、第1000条及び第1025条ただし書の改正規定並びに附則第7条及び第9条の規定  民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)施行の日

(民法[相続法制]改正点と実務への影響p86)
http://www.skattsei.co.jp/search/064978.html 
(一問一答債権法改正p20)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332