弁護士が法改正等を読み、主に対話形式で説明を試みます。 司法試験で行っていた勉強法、いわゆるセルフレクチャー※を文字起こししたイメージです。 ※自分で自分に説明して理解や記憶を目指す、「夢をかなえる勉強法」(伊藤真著)等参照。 ※本文の法令・リンク先の情報は投稿時のものです。
2020年5月5日火曜日
法学19 自動販売機?
甲
「法律の仕組みって意外とシンプルなの?」
乙
「抽象化するとシンプルだね」
甲
「自動販売機みたいなもの?」
乙
「我妻先生によると、そうじゃないらしいね」
甲
「柔軟に考えろ、ということ?」
乙
「いや、一方では逆に杓子定規であれという見解(杓子定規は法律の命)もあるよ」
「ケースによるけどね」
甲
「矛盾じゃないの?」
乙
「理屈と人情を、両立・調和させるという考えだね」
甲
「理屈と人情って?」
乙
「『理屈』は公平、もう少し詳しくすると法的安定性・一般的確実性のことだね」
甲
「具体的には?」
乙
「交通事故のケースで法定利率が変わった場合を見たけど、法定利率以外の事情が同じなら、賠償額を同じにすべきだね」
甲
「全く同じ事案・事例なんてあるの?」
乙
「全く同じじゃなくても、どういう場合にどう解決するかを、法律をつくって類型化したんだよ」
「類型化した範囲内なら、予測の範囲内にしないと不公平になるよ」
甲
「人情は?」
乙
「具体的妥当性のことだね」
(続く)
(法務省資料)
http://www.moj.go.jp/content/001255624.pdf(法律の使い方p11-4,21-3,54-5)
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b25647.html
(法律における理窟と人情p4-14,195)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/78.html
(民法案内Ⅰ私法の道しるべ(昭和42年刊)175頁)