2020年4月22日水曜日

法学12 借りたら返せ

図書館・図書室の職員イラスト
 甲
「常識的に、借りたら返さないといけないよね」

「法的にも一応そうなっているよ」


「『借りる』にも、法的に何種類かあるね」

「民法には、消費貸借・使用貸借・賃貸借だね」

「返さないといけないという条文はあるの?」

「例えば、改正前民法597条1項」
「使用貸借の規定だね」


「条文の文言を変えちゃったの?」

「いわゆる冒頭規定の593条で、返還を約するとしているからわかるという考えらしいね」
「債権法改正で、目的物を引き渡すのは要件でなくなったね」


「改正前の条文は、契約で決めておいた時期に返す、なんだね」

「そうだね」

「『契約』って何となくわかりそうだけど、法的には決まっているの?」


「民法には定義が見当たらないね」
「印紙税の通達にあるよ」



「契約の定義の中に『法律行為』というのがあるね」

「法律行為も、民法には文言はあるけど定義が見当たらない」
 
・民法
(使用貸借)
第593条 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
(借用物の返還の時期)※改正前
第五百九十七条 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。
2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。
3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。

(一問一答 民法(債権関係)改正p305)
https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=5311332
(契約の定義・印紙税法基本通達第4節)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi01/04.htm
(法律用語辞典p292・1053)
http://www.yuhikaku.co.jp/dictionary/detail/9784641000285