(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等の申立ての方式等)
第51条の4 法第68条の2第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 第27条の2第1項各号に掲げる事項
二 法第68条の2第2項の申出額
三 次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において前号の申出額に達する買受けの申出がないときは自ら当該申出額で不動産を買い受ける旨の申出
2 執行裁判所は、法第68条の2第1項の規定により申立人に不動産を保管させるべきことを命じた場合において、必要があると認めるときは、当該申立人に対し、不動産の保管の状況について報告を求め、又は執行官に対し、その保管の状況の点検を命ずることができる。
3 執行官は、前項の点検をしたときは、不動産の損傷の有無及び程度その他の申立人の保管の状況を記載した点検調書を作成し、執行裁判所に提出しなければならない。
4 第27条の2第2項の規定は第1項の書面について、第27条の3の規定は法第68条の2第1項に規定する公示保全処分の執行について、第31条の2の規定は法第68条の2第2項の申出について、第32条の規定は法第68条の2第2項の保証の提供について準用する。この場合において、第31条の2第1項中「差押債権者は、法第63条第2項第1号」とあるのは、「差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。以下この条において同じ。)は、法第68条の2第2項」と読み替えるものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html
甲
「保全処分だね」
乙
「民事執行法68条の2第1項だね」
(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
第68条の2 執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(略)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(略)を命ずることができる。
一 債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。
二 執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。
甲
「書面の記載事項の、1項1号は27条の2だね」
(売却のための保全処分等の申立ての方式等)
第27条の2 法第55条第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 当事者の氏名又は名称及び住所(略)並びに代理人の氏名及び住所
二 申立ての趣旨及び理由
三 強制競売の申立てに係る事件の表示
四 不動産の表示
乙
「民事執行法55条1項は、売却のための保全処分等だね」
(売却のための保全処分等)
第55条 執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(略)をするときは、差押債権者(略)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(略)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
一 当該価格減少行為をする者に対し、当該価格減少行為を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(略)
二 次に掲げる事項を内容とする保全処分(略)
イ 当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
ロ 執行官に不動産の保管をさせること。
三 次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
イ 前号イ及びロに掲げる事項
ロ 前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。
甲
「1項2号は、民事執行法68条の2第2項の申出額だね」
乙
「買受可能価額以上である必要があるね」
(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
第68条の2
2 差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(略)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。
甲
「1項3号は、差押債権者が自ら買い受ける旨だね」
乙
「2号の申出額に達しない場合だね」
甲
「2項は、報告命令・点検命令だね」
乙
「民事執行法68条の2第1項のうち、申立人が不動産を保管する場合だね」
(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
第68条の2 執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(略)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(略)を命ずることができる。
一 略
二 執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。
甲
「3項は点検調書だね」
乙
「民事執行法68条の2第3項の取消しや変更を判断するためだね」
(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
第68条の2
3 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第1項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
甲
「4項は準用だね」
乙
「27条の2第2項、つまり書面で主張立証を求めているね」
(売却のための保全処分等の申立ての方式等)
第27条の2 法第55条第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
二 申立ての趣旨及び理由
2 申立ての理由においては、申立てを理由付ける事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに証拠を記載しなければならない。
甲
「27条の3も準用するね」
乙
「公示方法だね」
(公示保全処分の執行方法)
第27条の3 執行官は、法第55条第1項に規定する公示保全処分を執行するときは、滅失又は破損しにくい方法により標識を掲示しなければならない。
2 執行官は、前項の公示保全処分を執行するときは、法第55条第1項に規定する公示書その他の標識に、標識の損壊に対する法律上の制裁その他の執行官が必要と認める事項を記載することができる。
甲
「民事執行法68条の2第2項、つまり差押債権者の買受け申出に31条の2を準用するんだね」
(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
第68条の2
2 差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(略)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。
乙
「31条の2も、差押債権者の買受け申出だね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 差押債権者は、法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
一 次に掲げる事項を記載し、差押債権者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が記名押印した陳述書
イ 差押債権者の氏名(振り仮名を付す。)又は名称及び住所
ロ 差押債権者が個人であるときは、その生年月日及び性別
ハ 差押債権者が法人であるときは、その役員の氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ニ 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が個人であるときは、その氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ホ 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が法人であるときは、その名称及び住所並びにその役員の氏名(振り仮名を付す。)、住所、生年月日及び性別
ヘ 差押債権者(その者が法人である場合にあつては、その役員)及び自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等(法第65条の2第1号に規定する暴力団員等をいう。以下この目において同じ。)に該当しないこと。
二 差押債権者が個人であるときは、その住民票の写しその他のその氏名、住所、生年月日及び性別を証するに足りる文書
三 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者がある場合であつて、その者が個人であるときは、その住民票の写しその他のその氏名、住所、生年月日及び性別を証するに足りる文書
2 差押債権者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める文書の写しを執行裁判所に提出するものとする。
一 差押債権者が第51条の7第3項に規定する指定許認可等を受けて事業を行つている者である場合 その者が当該指定許認可等を受けていることを証する文書
二 自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者が第51条の7第3項に規定する指定許認可等を受けて事業を行つている者である場合 その者が当該指定許認可等を受けていることを証する文書
甲
「32条も準用するね」
乙
「民事執行法68条の2第2項の、保証だね」
(剰余を生ずる見込みがない場合等の保証提供の方法等)
第32条 法第63条第2項の保証は、次に掲げるものを執行裁判所に提出する方法により提供しなければならない。
一 金銭
二 執行裁判所が相当と認める有価証券
三 銀行等が差押債権者のために一定の額の金銭を執行裁判所の催告により納付する旨の期限の定めのない支払保証委託契約が差押債権者と銀行等との間において締結されたことを証する文書
2 民事訴訟法第80条本文の規定は、前項の保証について準用する。
(担保の変換)
第80条 裁判所は、担保を立てた者の申立てにより、決定で、その担保の変換を命ずることができる。ただし(略)
甲
「31条の2は読み替えるんだね」
乙
「1項の部分だね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 【差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。以下この条において同じ。)は、法第68条の2第2項】の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
(条解民事執行規則(第四版)上〔第1条~第98条の2〕p310-7)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p463)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/