2020年10月5日月曜日

改正民事執行規則14 (不動産執行の規定の準用等)83条

 【第2款 船舶に対する強制執行】
(不動産執行の規定の準用等)
第83条 前款第1目(第23条から第24条まで、第29条、第30条第1項第4号及び第5号並びに第2項、第31条の2(第38条第7項(第49条において準用する場合を含む。)、第50条第4項、第51条第9項及び第51条の4第4項において準用する場合を含む。)、第36条第1項第7号及び第2項(第49条及び第50条第4項において準用する場合を含む。)、第51条の2、第51条の3並びに第51条の7を除く。)の規定は船舶執行について、第57条の規定は法第117条第5項において準用する法第78条第3項の規定による有価証券の換価について、第65条第2項及び第3項並びに第66条の規定は船舶執行の保管人について準用する。
2 前項において準用する第36条第1項の規定による公告には、船舶の所在する場所をも掲げなければならない。
3 第1項において準用する第34条に規定する入札における入札人及び同項において準用する第50条第1項に規定する競り売りにおいて買受けの申出をしようとする者は、住民票の写しその他のその住所を証するに足りる文書を執行官に提出するものとする。
(民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html


「船舶執行だね」

「不動産執行を準用するんだね」

「除く規定があるね」

「例えば申立書については、74条で定めたから不動産執行の23条は準用しないんだね」
(申立書の記載事項及び添付書類)
第74条 船舶執行の申立書には、第21条各号に掲げる事項のほか、船舶の所在する場
所並びに船長の氏名及び現在する場所を記載し、執行力のある債務名義の正本のほか、次に掲
げる書類を添付しなければならない。
一 登記がされた日本船舶については、登記事項証明書
二 登記がされていない日本船舶については、船舶登記令(略)第13条第1項第4号イからホまでに掲げる情報を記載した書面、同令別表1の7の項添付情報欄ロ及びハに掲げる情報を記載した書面及びその船舶が債務者の所有に属することを証する文書
三 日本船舶以外の船舶については、その船舶が法第112条に規定する船舶であることを証する文書及びその船舶が債務者の所有に属することを証する文書

「23条の2・24条も準用しないんだね」

「23条の2は円滑は送達のための規定で、24条は強制管理との調整に関する規定だからだね」
(手続の進行に資する書類の提出)
第23条の2 申立債権者は、執行裁判所に対し、次に掲げる書類を提出するものとする。
一 不動産(略)に係る不動産登記法(略)第14条第1項の地図又は同条第4項の地図に準ずる図面及び同条第1項の建物所在図の写し()
二 債務者の住民票の写しその他その住所を証するに足りる文書
三 不動産の所在地に至るまでの通常の経路及び方法を記載した図面
四 申立債権者が不動産の現況の調査又は評価をした場合において当該調査の結果又は評価を記載した文書を保有するときは、その文書
第24条 強制管理の開始決定がされた不動産について強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、強制管理の差押債権者及び管理人に対し、その旨を通知しなければならない。担保不動産収益執行の開始決定がされた不動産について強制競売の開始決定がされたときも、同様とする。

「29条も準用しないんだね」

「79条で定めたからだね」
(現況調査報告書)
第79条 執行官は、船舶の現況調査をしたときは、次に掲げる事項を記載した現況調査報
告書を所定の日までに執行裁判所に提出しなければならない。
一 第29条第1項第1号、第3号及び第7号に掲げる事項
二 船舶の表示
三 船舶の所在する場所
四 占有者の表示及び占有の状況
五 当該船舶について、債務者の占有を解いて執行官に保管させる仮処分が執行されていると
きは、その旨及び執行官が保管を開始した年月日
2 現況調査報告書には、船舶の写真を添付しなければならない。

「30条1項4号5号・2項も準用しないんだね」

「1項4号5号は準用の余地がなくて、2項の図面は必要がないからだね」
(評価書)
第30条 評価人は、不動産の評価をしたときは、次に掲げる事項を記載した評価書を所定の日までに執行裁判所に提出しなければならない。
四 不動産の所在する場所の環境の概要
五 評価の目的物が土地であるときは、次に掲げる事項
イ 地積
ロ 都市計画法(略)、建築基準法(略) その他の法令に基づく制限の有無及び内容
ハ 規準とした公示価格その他の評価の参考とした事項
2 評価書には、不動産の形状を示す図面及び不動産の所在する場所の周辺の概況を示す図面を添付しなければならない。

「36条1項7号も準用しないんだね」
(期日入札の公告等)
第36条 裁判所書記官は、入札期日及び売却決定期日(略)を定めたときは、入札期日の2週間前までに、法第64条第5項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。
七 不動産に対して課される租税その他の公課の額

「船舶の公租公課は不動産とは別で、公租公課については買受希望者なら知っているはずだから、必要ないとされるね」

「36条2項も準用しないんだね」

「市町村に掲示しても、船舶の買受希望者が増えるとは思えないからだね」
(期日入札の公告等)
第36条
2 裁判所書記官は、不動産所在地の市町村に対し、公告事項を記載した書面を当該市町村の掲示場に掲示するよう入札期日の2週間前までに嘱託しなければならない。ただし、公告事項の要旨及び不動産の買受けの申出の参考となるべき事項を公示したときは、この限りでない。

「内覧の規定も準用しないんだね」
(内覧実施命令)
第51条の2 法第64条の2第1項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 申立人の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二 略
(執行官による内覧の実施)
第51条の3 執行官は、法第64条の2第1項の命令があつたときは、遅滞なく、内覧への参加の申出をすべき期間及び内覧を実施する日時を定め、これらの事項及び不動産の表示(略)を公告し、かつ、不動産の占有者に対して内覧を実施する日時を通知しなければならない。
2 略

「民事執行法121条で、64条の2を準用しないからだね」
(不動産に対する強制競売の規定の準用)
第121条 前款第2目((略)第64条の2、第65条の2(略)を除く。)の規定は船舶執行について(略)準用する。(略)
(内覧)
第64条の2 執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第59条第1項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。
2 略

「31条の2も準用しないんだね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 差押債権者は、法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
一 次に掲げる事項を記載し、差押債権者(略)が記名押印した陳述書
ヘ 差押債権者(略)及び自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者(略)が暴力団員等(略)に該当しないこと。

「民事執行法121条で、65条の2を準用しないからだね」
(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)
第65条の2 不動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。
一 買受けの申出をしようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者(略)であること。
二 自己の計算において当該買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等であること。

「57条は準用するんだね」

「有価証券の換価だね」
(保証として提供されたものの換価)
第57条 法第78条第3項(略)の規定による有価証券の換価は、執行官にこれを売却させて行う。
2 有価証券の売却を命じられた執行官は、動産執行の手続によりこれを売却し、その売得金を執行裁判所に提出しなければならない。

「民事執行法117条5項の、有価証券の供託で保証をする場合だね」
(保証の提供による強制競売の手続の取消し)
第117条 
5 第15条の規定は第1項の保証の提供について、第78条第3項の規定は第1項の保証が金銭の供託以外の方法で提供されている場合の換価について準用する。

「民事執行法15条は担保の提供だね」
(担保の提供)
第15条 この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(略)又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は発令裁判所が相当と認める有価証券(略)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし(略)
2 略

「民事執行法15条1項に有価証券が含まれていて、78条3項を準用するんだね」

「換価だね」
(代金の納付)
第78条 
3 買受人が第63条第2項第1号又は第68条の2第2項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。

「65条2項3項・66条も準用するんだね」

「強制管理の管理人の規定を、船舶執行の保管人に準用するんだね」
(管理人の選任の通知等)
第65条 2 裁判所書記官は、管理人に対し、その選任を証する文書を交付しなければならない。
3 管理人が解任されたときは、裁判所書記官は、差押債権者、債務者及び給付義務者に対し、その旨を通知しなければならない。
(管理人の辞任)
第66条 管理人は、正当な理由があるときは、執行裁判所の許可を得て辞任することができる。
2 前条第3項の規定は、管理人が辞任した場合について準用する。


「2項は公告だね」

「不動産の場合で公告することに加えて、船舶の所在場所も必要なんだね」
(期日入札の公告等)
第36条 裁判所書記官は、入札期日及び売却決定期日(略)を定めたときは、入札期日の2週間前までに、法第64条第5項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 事件の表示
二 略

「3項は、入札人・買受け申出人の規定だね」

「住民票等を提出させるんだね」
(入札の種類)
第34条 不動産を売却するための入札は、入札期日に入札をさせた後開札を行う期日入札
及び入札期間内に入札をさせて開札期日に開札を行う期間入札とする。
(競り売り)
第50条 不動産を売却するための競り売りは、競り売り期日に買受けの申出の額を競り上げ
させる方法により行う。
条解民事執行規則(第四版)上〔第1条~第98条の2〕p409-13)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p464)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/