【第4款 自動車に対する強制執行】
(入札又は競り売り以外の方法による売却)
第96条 裁判所書記官は、相当と認めるときは、執行官に対し、入札又は競り売り以外の方法により自動車の売却を実施すべき旨を命ずることができる。この場合においては、第51条(第1項前段及び第9項(第31条の2の規定を準用する部分に限る。)を除く。)の規定を準用する。
2 第97条において準用する法第64条又は前項の規定にかかわらず、執行裁判所は、相当と認めるときは、買受けの申出をした差押債権者の申立てにより、その者に対する自動車の売却の許可をすることができる。
3 前項の規定による売却許可決定は、差押債権者以外の債権者にも告知しなければならない。
(民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html
甲
「自動車執行の規定だね」
乙
「1項は、特別売却だね」
甲
「51条の一部を準用するね」
乙
「51条1項前段を除いているね」
(入札又は競り売り以外の方法による売却)
第51条 【(除く)裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却を実施させても適法な買受けの申出がなかつたとき(略)は、執行官に対し、やむを得ない事由がある場合を除き、3月以内の期間を定め、他の方法により不動産の売却を実施すべき旨を命ずることができる。】この場合においては、売却の実施の方法その他の条件を付することができる。
2 裁判所書記官は、前項の規定により売却の実施を命じようとするときは、あらかじめ、差押債権者の意見を聴かなければならない。ただし、その者が、強制競売の申立てに際し、当該売却の実施について意見を述べたときは、この限りでない。
3 前項本文に規定する場合には、執行裁判所は、買受けの申出の保証の額を定めなければならない。
4 前項の買受けの申出の保証は、買受けの申出の際に金銭又は執行裁判所が相当と認める有価証券を執行官に提出する方法により提供しなければならない。
5 裁判所書記官は、第1項の規定により売却の実施を命じたときは、各債権者及び債務者に対し、その旨を通知しなければならない。
6 執行官は、第1項の規定による裁判所書記官の処分に基づいて不動産の売却を実施した場合において、買受けの申出があつたときは、速やかに、不動産の表示、買受けの申出をした者の氏名又は名称及び住所並びに買受けの申出の額及び年月日を記載した調書を作成し、保証として提出された金銭又は有価証券と共にこれを執行裁判所に提出しなければならない。
7 前項の調書が提出されたときは、執行裁判所は、遅滞なく、売却決定期日を定めなければならない。
8 前項の規定により売却決定期日が定められたときは、裁判所書記官は、第37条各号に掲げる者及び買受けの申出をした者に対し、その期日を開く日時及び場所を通知しなければならない。
9 【(除く)第31条の2の規定は執行官が第1項の規定による裁判所書記官の処分に基づいて不動産の売却を実施した場合について】、第44条第2項の規定は第6項の調書について準用する。この場合において、【(除く)第31条の2中「差押債権者」とあるのは「買受けの申出をしようとする者」と、「執行裁判所」とあるのは「執行官」と、同条第1項中「法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類」と読み替えるものとする。】
甲
「入札・競り売りをやってみなくていいんだね」
「51条9項の、31条の2を準用する部分も除くんだね」
乙
「暴力団員等の規制は、原則として不動産執行に及ぶからだね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 差押債権者は、法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
一 次に掲げる事項を記載し、差押債権者(略)が記名押印した陳述書
ヘ 差押債権者(略)及び自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者(略)が暴力団員等(略)に該当しないこと。
甲
「2項は、売却許可決定だね」
乙
「不動産の売却と全く同じにする必要はないんだね」
(売却の方法及び公告)
第64条 不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
2 不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
3 裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
4 前項の場合においては、第20条において準用する民事訴訟法第93条第1項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
5 第3項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。
6 第1項、第3項又は第4項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
7 第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
甲
「民事執行法161条1項の、債権執行の譲渡命令と似ているんだね」
乙
「だから本条は、いわゆる自動車譲渡命令らしいね」
(譲渡命令等)
第161条 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その債権を執行裁判所が定めた価額で支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)、取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令(以下「売却命令」という。)又は管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(以下「管理命令」という。)その他相当な方法による換価を命ずる命令を発することができる。
2
甲
「3項は告知だね」
乙
「差押債権者以外の債権者にもする必要があるね」
(条解民事執行規則(第四版)上〔第1条~第98条の2〕p439-43)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p464)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/