【第6款 動産に対する強制執行】
(入札)
第120条 動産を売却するための入札は、入札期日に入札をさせた後開札を行う方法による。
2 開札が終わつたときは、執行官は、最高の価額で買受けの申出をした入札人の氏名又は名称、入札価額及びその者に買受けを許す旨を告げなければならない。
3 第38条(第7項を除く。)、第41条第1項及び第2項、第42条第1項及び第
2項、第43条中身分に関する証明に係る部分、第114条、第115条、第116条第1項ただし書及び第2項並びに前3条の規定は動産の入札について、第43条中援助の求めに係る部分の規定は執行官がその所属する地方裁判所内において入札を実施する場合について準用する。
(民事執行規則(原文は縦書き))
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/3minjisikkoukisoku.pdf
(新旧対照表)
https://www.sn-hoki.co.jp/data/pickup_hourei/onct/MINJISHI-KISOKU20191127-5.html
甲
「動産執行だね」
乙
「1項は、いわゆる期日入札だね」
甲
「不動産だと期間入札もあるけど、動産は期日入札だけなんだね」
乙
「不動産は34条だね」
(入札の種類)
第34条 不動産を売却するための入札は、入札期日に入札をさせた後開札を行う期日入札及び入札期間内に入札をさせて開札期日に開札を行う期間入札とする。
甲
「執行官が最高価額の申出人に買受けを許すんだね」
乙
「2項だね」
甲
「3項で、不動産の規定を準用するんだね」
乙
「38条は7項を除いているね」
(期日入札における入札)
第38条 期日入札における入札は、入札書を執行官に差し出す方法により行う。
2 入札書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 入札人の氏名又は名称及び住所
二 代理人によつて入札をするときは、代理人の氏名及び住所
三 事件の表示その他の不動産を特定するために必要な事項
四 入札価額
3 法人である入札人は、代表者の資格を証する文書を執行官に提出しなければならない。
4 入札人の代理人は、代理権を証する文書を執行官に提出しなければならない。
5 共同して入札をしようとする者は、あらかじめ、これらの者の関係及び持分を明らかにして執行官の許可を受けなければならない。
6 入札は、変更し、又は変更すことができない。
【除く)7 第31条の2の規定は、期日入札における入札について準用する。この場合において、同条中「差押債権者」とあるのは「入札人」と、「執行裁判所」とあるのは「執行官」と、同条第1項中「法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類」と読み替えるものとする。】
甲
「7項が準用するのは31条の2だね」
乙
「暴力団員等の買受け防止だね」
(剰余を生ずる見込みのない場合等の差押債権者による買受けの申出)
第31条の2 差押債権者は、法第63条第2項第1号の申出をするときは、次に掲げる書類を執行裁判所に提出しなければならない。
一 次に掲げる事項を記載し、差押債権者(略)が記名押印した陳述書
ヘ 差押債権者(略)及び自己の計算において差押債権者に買受けの申出をさせようとする者(略)が暴力団員等(略)に該当しないこと。
甲
「41条は1項と2項を準用するね」
(入札期日の手続)
第41条 執行官は、入札の催告をした後20分を経過しなければ、入札を締め切つてはならない。
2 執行官は、開札に際しては、入札をした者を立ち会わせなければならない。この場合において、入札をした者が立ち会わないときは、適当と認められる者を立ち会わせなければならない。
乙
「41条3項は最高価買受申出人の規定で、動産は本条2項によるんだね」
(入札期日の手続)
第41条
3 開札が終わつたときは、執行官は、最高価買受申出人を定め、その氏名又は名称及び入札価額を告げ、かつ、次順位買受けの申出(略)をすることができる入札人がある場合にあつては、その氏名又は名称及び入札価額を告げて次順位買受けの申出を催告した後、入札期日の終了を宣しなければならない。
甲
「42条も準用するね」
乙
「最高価買受申出人が複数いる場合とかだね」
(期日入札における最高価買受申出人等の決定)
第42条 最高の価額で買受けの申出をした入札人が2人以上あるときは、執行官は、これらの者に更に入札をさせて最高価買受申出人を定める。この場合においては、入札人は、先の入札価額に満たない価額による入札をすることができない。
2 前項の入札人の全員が入札をしないときは、くじで最高価買受申出人を定める。同項の入札において最高の価額で買受けの申出をした入札人が2人以上あるときも、同様とする。
3 次順位買受けの申出をした入札人が2人以上あるときは、くじで次順位買受申出人を定める。
甲
「43条も準用するね」
乙
「身分証明の部分だね」
(入札期日を開く場所における秩序維持)
第43条 執行官は、入札期日を開く場所における秩序を維持するため必要があると認める
ときは、その場所に参集した者に対し身分に関する証明を求め、及び執行裁判所に対し援助を求めることができる。
甲
「114条から116条も準用するね」
乙
「競り売りの規定だね」
(競り売り期日の指定等)
第114条 執行官は、競り売りの方法により動産を売却するときは、競り売り期日を開く日時及び場所を定めなければならない。この場合において、競り売り期日は、やむを得ない事由がある場合を除き、差押えの日から1週間以上1月以内の日としなければならない。
2 執行官は、執行裁判所の許可を受けたときは、所属の地方裁判所の管轄区域外の場所で競り売り期日を開くことができる。
(競り売りの公告等)
第115条 執行官は、競り売り期日を定めたときは、次に掲げる事項を公告し、各債権者及び債務者に対し、第3号に掲げる事項を通知しなければならない。
一 事件の表示
二 売却すべき動産の表示
三 競り売り期日を開く日時及び場所
四 第132条において準用する第33条の規定により買受けの申出をすることができる者の資格を制限したときは、その制限の内容
五 売却すべき動産を競り売り期日前に一般の見分に供するときは、その日時及び場所
六 代金支払の日を定めたときは、買受けの申出の保証の額及び提供の方法並びに代金支払の日
七 売却すべき動産が貴金属又はその加工品であるときは、その貴金属の地金としての価額
(競り売り期日の手続)
第116条 競り売り期日においては、執行官は、買受けの申出の額のうち、最高のものを3回呼び上げた後、その申出をした者の氏名又は名称、買受けの申出の額及びその者に買受けを許す旨を告げなければならない。ただし、買受けの申出の額が不相当と認められるときは、この限りでない。
2 第118条第2項の規定により代金支払の日を定めて数個の動産を売却する場合におい
て、あるものの代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがあるときは、執行官は、他の動産の競り売りを留保しなければならない。
甲
「116条1項本文と3項は準用しないんだね」
乙
「43条の規定は、本条3項で準用するね」
(競り売り期日の手続)
第116条
3 第38条第3項から第5項まで、第43条中身分に関する証明に係る部分並びに第50条第1項及び第2項の規定は動産の競り売りについて、第43条中援助の求めに係る部分の規定は執行官がその所属する地方裁判所内において競り売りを実施する場合について準用する。
甲
「前3条、117条から119条も準用するね」
乙
「117条から119条も競り売りの規定だね」
(競り売りの方法により売却すべき動産の見分)
第117条 執行官は、競り売り期日又はその期日前に、売却すべき動産を一般の見分に供しなければならない。
2 売却すべき動産を競り売り期日前に一般の見分に供する場合において、その動産が債務者の占有する建物内にあるときは、執行官は、見分に立ち会わなければならない。前段に規定する場合以外の場合において、当該動産の保管者から立会いの申出があつたときも、同様とする。
3 執行官は、売却すべき動産を競り売り期日前に一般の見分に供したとき、及び前項の規定により見分に立ち会つたときは、その旨を記録上明らかにしなければならない。
(競り売りにおける代金の支払等)
第118条 競り売り期日において買受けが許されたときは、買受人は、次項の規定により定められた代金支払の日に代金を支払う場合を除き、直ちに代金を支払わなければならない。
2 執行官は、差押物の売却価額が高額になると見込まれるときは、競り売り期日から1週間以内の日を代金支払の日と定めることができる。
3 前項の規定により代金支払の日が定められた場合においては、買受けの申出をしようとする者は、執行官に対し、差押物の評価額の10分の2に相当する額の保証を提供しなければならない。
4 前項の規定により買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭は、代金に充てる。
5 執行官は、代金支払の日を定めて競り売りを実施したときは、代金支払の日、買受人の保証の提供の方法及び代金の支払の有無を記録上明らかにしなければならない。
6 買受人は、代金支払の日に代金を支払わなかつたときは、買受けの申出の保証のうち次項の規定により売得金とされた額に相当する部分の返還を請求することができない。
7 買受人が代金支払の日に代金を支払わなかつたため更に動産を売却した場合において、後の売却価額が前の売却価額に満たないときは、前の買受人が提供した買受けの申出の保証は、その差額を限度として売得金とする。
8 買受けの申出の保証が次項において準用する第40条第1項第4号の文書を提出する方
法により提供されている場合において、買受人が代金を支払わなかつたときは、執行官は、銀
行等に対し、執行官の定める額の金銭を支払うべき旨を催告しなければならない。
9 第40条の規定は、第3項の買受けの申出の保証について準用する。
(競り売り調書)
第119条 競り売りを実施したときに作成すべき競り売り調書に係る第13条第1項第4
号の実施した民事執行の内容の記載については、次に掲げる事項を明らかにしなければならな
い。
一 買受人の氏名又は名称及び住所、買受けの申出の額並びに代金の支払の有無
二 適法な買受けの申出がなかつたときは、その旨
2 執行官は、第13条第2項に規定する者のほか、買受人又はその代表者若しくは代理人に競り売り調書に署名押印させなければならない。この場合においては、同項後段の規定を準用する。
(条解民事執行規則(第四版)下〔第99条~第193条・附則〕p504-7)
http://www.hosokai.or.jp/item/annai/data/202005.html#01
(Q&A令和元年改正民事執行法制p467)
https://www.kinzai.jp/item/b13540/