相続38 改正民法1031条
(配偶者居住権の登記等)
第1031条 居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。
2 第605条の規定は配偶者居住権について、第605条の4の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。
甲
「1項は所有者の義務を定めているね」
乙
「配偶者居住権の登記を備えさせないといけないんだね」
甲
「賃借権との違いは?」
乙
「判例では、賃貸人に登記を備えさせる義務がないとされているよ※」
甲
「登記って、原則として共同申請だよね」
乙
「そうだね」
不動産登記法
(共同申請)
第60条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
甲
「所有者と配偶者の共同申請ということ?」
乙
「そうだね」
「もっとも、例えば審判で配偶者居住権を取得させる場合、登記について主文で定めて、配偶者の単独申請ができるようにするのが想定されているね」
「法制審部会の第23回当時は『長期居住権』と呼んでいたよ」
(主文例、3項)
甲
「2項は賃借権の規定を準用するんだね」
乙
「605条は第三者対抗力、605条の4は妨害停止や返還請求権だね」
民法(未施行改正あり
(不動産賃貸借の対抗力)
第605条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
(不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)
第605条の4 不動産の賃借人は、第605条の2第1項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。
一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の請求
二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求
※大判大10.7.11民録27.1378、カタカナをひらがなにする等したもの
「賃借人は」「賃貸人に対して」「登記を為す権利を」「有せざるものと解す」
(潮見詳解相続法p345)
http://www.koubundou.co.jp/book/b415899.html
(法制審議会民法(相続関係)部会資料23-2p5)
http://www.moj.go.jp/content/001230291.pdf
(相続に関するルールが大きく変わります 法務省)
http://www.moj.go.jp/content/001277453.pdf